「貧困問題」と不登校

文字色 3月20日、「子どもの貧困を考える函館フォーラム」が開催され、実行委員として参加しました。
基調講演は「子どもの最貧国・日本」(光文社新書)の著者・山野良一さんで、
実践に基づくとても説得力のある素晴らしいお話でした。
参加者討論で各分野から発言がありましたが、私も不登校・ひきこもりサーポートの立場から
次のような発言をさせていただきましたので、その後半部分をご紹介します。

 2008年度の不登校の小中学生は126,805人で、中学生ではほぼ34人に一人ですから、単純平均で1クラスに一人はいる計算になりますが、これは不登校の実態を表す数字とはとても思えません
 この数字は「年間30日以上、病気などの明確な理由がなく休む」という定義上の不登校の人数ですから、例えば毎日保健室に登校するなどして、30日以上欠席にならない子どもは不登校にはカウントされませんし、相当に辛い状態でも休むに休めず、かなり無理をしている、いわば潜在的な不登校のお子さんまで含めますと、何十万人という子どもが、現在の学校という枠組みに拒否反応を起こしているという現実を、私たちはしかっる受けとめる必要があると思います。

 不登校やひきこもりのお子さんがいるたくさんにのご家族とお付き合いしてきた経験から申しますと、家庭の貧困と、お子さんが不登校やひきこもりになることとはたぶん直接の因果関係はないと感じていますし、不登校は文部科学省も認めているように、どの家庭にも起こりうることで何も特別なことではありませんし、ひきこもりも同様だと思います。
 しかし、不登校やひきこもりになった後にご家族がどのように対応できるかは、家庭の経済条件に大きく左右されるという問題が出てきます。

 例えば、不登校のお子さんがしっかり不登校をして、十分に休息を取ってエネルギーを溜めることがとても大事ですが、家庭の経済基盤が揺らいでいるとそれはとても難しいことですし、エネルギーが溜まってきて次に動きだそうとしたとき、その行き先として学校がどうしても合わないというお子さんがたくさんおります
 私は不登校のお子さんを全て学校に戻そうとすること自体に無理があり、子ども追い詰めるだけだと思っています。

 ところが、子どもの行き場所は極めて限られていて、幸い近くにフリースクールやフリースペースのようなところがあったとしても、そのような活動に対する公的な支援はほとんどありませんので、運営は全て自賄いになります。
 例えばフリースペース「自由高原」ですが、運営体制が脆弱なため、毎週月曜日と金曜日の2回しか開催できないのですが、利用料が1日1000円、半日で500円ですので、それでも毎回利用しますと1ヶ月8000円以上になってしまいます。

 助会員の方々からの寄付などでかろうじて運営している状況ですが、それでも運営費は毎年20万円以上赤字になっていますし、賛利用者にしてみると、この負担は結構大きくて、利用するのに二の足をふむご家庭もあります。

 もちろん子どもが成長する場所として学校がとても大きな役割を果たしていますので、児童生徒一人当たり約100万円の公的な財政支出があるわけですが、この100万円分は行かないかぎりその恩恵を受けることができません

 何らかの理由で、学校という場をくぐらずに成長する道を選んだ、あるいは選ばざるを得なかった子どもや家庭は、そのためにかかる費用は全て自分持ちというのが現実ですが、その負担にどれだけ耐えられるかは、あきらかに家庭の経済状態に左右されますし、貧困の拡大の中で深刻な問題であり、「教育を受ける権利」という日本国憲法の理念から考えても、これはたいへん不公平な話だと思います。

 そこで、昨年1月「フリースクール全国ネットワーク」では、この問題を正面から取り上げ、「フリースクールからの政策提言~子どもが安心して学び育つ社会を」という提言を発表し、その実現に取り組んでいます。
 時間がありませんので、その内容を説明することは省きますが、その全文を掲載した資料をお配りしましたので、是非ご覧いただき、こういった分野に対しましても、皆さまのご支援、ご協力をお願い申し上げまして、発言を終わります。
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テーマ : 教育問題について考える
ジャンル : 学校・教育

富良野講演会も盛況でした

3月15日、国際女性デー富良野地区集会にお邪魔しました。
あいにくの雪模様で、美しい山並みの景観を見ることはできませんでしたが、
悪天候にも関わらず100名以上の方が参加、わざわざ旭川からおいでの方もいらっしゃいました。
実行委員会の母体は富良野地域の平和運動フォーラム青年女性部で、参加者の多くは労働組合関係者とのことで、
不登校・ひきこもりに関わる方々の事業でないにも関わらず、このようなテーマを選んでいただき感謝しております
親や先生、周りの大人たちが描く、あるいは求める子どもの姿と、現実の子どもの姿とが食い違い、
「家庭争議」が起こるというのはよくある話
だと思います。
そんなとき大人たちはどうしたらよいのかということを、不登校・ひきこもりを手がかりに考えたいというのが
今回のお話の目的で、そのためには社会福祉の考え方がとても役に立つというお話をさせていただきました。
時間の関係上、ケースワーク理論で話が終わり、学校の運営や制度改革をめぐる問題まで踏み込めず
労働組合の運動などをされている方には物足りなかったかもしれないと反省していますが、
皆さん熱心にお話を聞いてくださいました。あらためて、心から感謝申し上げます。
不登校やひきこもりが、その当事者や家族だけの特殊な問題ではなく、社会的・制度的な課題がその背景にある
ことを、もっともっと粘り強く訴えて行きたい
と思っています。

テーマ : 不登校
ジャンル : 学校・教育

盛況の富良野講演

富良野講演会のお知らせ

下記のイベントで富良野にお邪魔することになりましたので、
お近くで関心をお持ちの方をご存じでしたらご紹介いただければ幸いです。

【第100回国際女性デー・第38回富良野地区集会】

1 日 時:3月15日(月) 18:00~20:00
2 会 場:富良野市弥生町1番2号 富良野市文化会館2F大会議室
3 主 催:第38回国際女性デー富良野地区集会実行委員会
4 内 容:18:00  開会 実行委員長挨拶 国際女性デーの意義等の説明
       18:15~19:30  講演
             「子育てと教育に生かす福祉の視点~わが子が不登校で教えてくれたこと」
              講師:野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)
       19:30~20:00  質疑応答
       20:00  閉会
       (終了後、個別相談にも対応します)
5 参加費等:無料、事前申込み不要、直接会場におこしください。
6 問い合わせ先:第38回国際女性デー富良野地区集会実行委員会
            事務局長 藤野翔太(℡090-2691-6484)

テーマ : 家庭・社会・国の問題を考える
ジャンル : 福祉・ボランティア

富良野講演会のお知らせ

はじめまして

 函館地域で、不登校や「ひきこもり」のサポート活動を行っております野村俊幸です。
このようなテーマに関するイベントや各種情報を発信しておりますのでよろしくお願いします。
まずは簡単に自己紹介させていただきます。

□経歴・職業
 昭和25年北斗市(旧上磯町)生まれ。北海道大学文学部卒業後、平成20年3月まで北海道庁に勤務。
 現在は西野学園函館臨床福祉専門学校講師、北海道教育大学函館校非常勤講師。

□資格 
 社会福祉士 精神保健福祉士

□現在の主な活動
 函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」事務局代表
 道南ひきこもり家族交流会「あさがお」事務局
 フリースペース「自由高原」運営委員
 不登校をともに考える会「昴の会」アドバイザー
 子どもの権利ネットワーク南北海道運営委員
 チャイルドラインはこだて監事
 函館地方精神保健協会理事
 南北海道教育臨床研究会幹事
 社団法人北海道社会福祉士会スクールソーシャルワーク検討委員

□著書 
 『わが子が不登校で教えてくれたこと・改訂版』
  ~ソーシャルワークによる不登校・ひきこもりの理解と支援~
   文芸社(2009年11月発刊)1000円+税

今後不定期にこの場所をお借りして発信していきたいと思っております。
 

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