10月のひきこもり家族交流会より・その2

 バンドを結成してライブ活動を始めた方は、それまで人間関係がうまく行かず辛く苦しい日々を過ごしてきました。きっと今でも様々な悩みはあるのでしょうが、「自分の役割がある」と実感できることで自信回復につながり、自分を好きになることができるようになってきました。
 子どもが動き出すと、親は欲張りなので「それができるようになったのだから、次はこれを…」とついつい言いがちですが、ご両親は「ここで口出ししないよう心がけている」「以前なら『バンドでメシは食えない』と言ったかもしれないが、今はそんなことは言うべきではない」とお話されておりとても感動しました。親御さんがそのように考えることで、お子さんにとって家が安心できる居場所になってきて、そのことも元気回復の大きな要因になっているのではないでしょうか。

 また、「親を愛する気持ちが湧かないのは、自分はアスペルガー障害だからだろうか」という悩みも語られました。親との関係が悪いというのはとても辛いことですし、罪悪感を感じることもあるでしょうが、そのような感情はそれまでの親子関係の経緯を大きく影響しているはずです。ある一時期、親としっかり距離を置くことがお互いの関係にとってプラスになる場合もあります。
 障害の影響があるかどうか分かりませんが、ある参加者が「今の自分の気持ちや状態は、いろんな関係や条件の中で生まれてくるのだから、○○障害という枠から自分を見ない方が良いのはないか」とお話していましたが、なるほどそのとおりだと思います。
 正しい診断に基づく障害特性の理解は大切ですが、全ての障害は「関係性」の中で生まれるものですし、特に発達障害はその面が強いと思います。前にも書きましたが、黒柳徹子さんの「窓ぎわのトットちゃん」(講談社青い鳥文庫)を読んで、特にその思いを新たにしました。
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こまめさん、発達障害について投稿ありがとうございます

 こまめさん、ある発達障害の研修会に参加されてのご感想、ありがとうございます。私は発達障害について素人ですのでうまく言えないのですが、私もこの講師がおっしゃった「発達障害の場合は登校刺激も有効」という説には疑問を感じます
 発達障害であろうがなかろうが、不登校は今その子どもが学校という「時間と空間」に対してストレスを感じ、身体が拒否反応を起こしている状態ですから、まずはゆっくり休息し、安心感を取り戻すことが先決です。
登校刺激」という発想自体が「不登校の解決=学校復帰」と考えている表れですから、話がずれてきます。
まずはお子さんに元気になってもらうことが大切で、学校に戻るが良いかどうかは、そのお子さんの状態や学校の状態、家庭の条件とそれぞれの相互関係から個別具体的に考える必要があると思います。
 そのことを前提に、発達障害が不登校の主要な要因であるとするならば、お子さんの障害特性(これも一人ひとり違いますので)を学校や家庭がきちんと理解し、適切な関わりをすることによって本人が自信を取り戻して元気になり、結果として学校復帰につながるということはよくあります。「登校刺激」がそのようなタイミングで適切に行われるなら良いのですが(その見極めもとても大切で、周りが「学校に戻す」ことを目的に取り組むとお子さんの状態を悪化させる場合がほとんどです)、「登校刺激で問題を解決する」という発想は間違っているというのが私の意見です。

10月のひきこもり家族交流会より・その1

 遅くなりましたが今月のひきこもり家族交流会の様子を紹介します。今月は家族・当事者8名、サポーター3名の11名と最近では珍しい少人数の参加者でしたが、一人ひとりじっくり話ができ、その分、親子や兄弟など家族関係の問題から恋愛問題まで多岐にわたり、深刻な課題も含めとても深い内容の話し合いとなりました。個人的な体験や思いを具体的に詳しく語り、意見を述べ合うことができるのは、参加者同士の信頼関係があればこそで、この会の意義と良さをあらためて実感できました。
「季節の変わり目になると体調が不安定になる」「親子の会話はまだほとんどない」「昼夜逆転の生活が続いている」「ライブ活動で生き生きしてきた」「男女間の距離の取り方に不安がある」「親元から離れて元気に暮らせるようになった」「自分はずっと一人と思っていたが、恋人ができて将来の見方が変わってきた」などなど、悲喜こもごもの話題がたくさん出されました。
 親はどうしても、子どもの様子に一喜一憂しがちですが、参加した親御さんは、子どもがそのようにせざる得ない辛い体験や心のうちをしっかり受けとめ、焦らずに子どもに寄り添おうという気持ちになっていますし、当事者の皆さんも、語ることを通して自分の置かれた状況や心理状態を冷静に考え、前に進もうという努力をされています。

ひきこもり家族交流会の例会より・その2

もうひとグループは、当事者の若者を交えて話し合いました。ここでも「親子のコミュニケーションがうまくいかず悩んでいる」という体験や「親がいなくなった後の自分の生活を真剣に考えなければと思う」といった意見など、たくさんの切実なお話が出されました。
 その中で、「発達障害の疑いがあり、本人も診断に同意したが受診直前にキャンセルした。どうしたら良いだろうか」という話も出ました。これについて、アスペルガー症候群の診断を受けた青年は「自分が仕事でも人間関係でも上手くいかないのはなぜだろうと悩んでいた。障害という診断に、はじめは嫌だという気持ちもあったが自分自身に納得がいき、周囲にもしっかり伝えることで自分を理解してくれる人が増えて、今の職場でも仕事を続けることができたと思う。だから、本人が診断の必要性を十分に実感しない段階で周囲が無理強いしてもうまくいかないのではないか」と述べていましたが、当事者ならではの説得力あるお話だと思います。

ひきこもり家族交流会の例会より

 遅くなりましたが、9月の「あさがお」例会の報告です。いつも20名を超える参加者で発言が十分できないという反省から、今回は2グループに分かれて話し合いを行いましたので、各々がたくさんお話し、意見交換もできましたので、とても良かったと思います。
 ひとつは親だけのグループで、子どものことを理解し「無理させてはいけない」と思いながらも「このままで良いのだろうか」と自問し、気持ちが揺れるというお話しがありました。
 昨年9月に7年ぶりでお子さんと直接話ができた方は、そのことを喜びながらもその後は「膠着状態」で、お子さんが家から出ることができない現状について、「子どもとの間に大きな<空洞>ができたままで、それを埋める努力を自分は怠ってきたのではないか」と自分を責めていました。
 本当にたいへん辛い状態でしょうが、他のお母さん方からは「どんな形であれ子どもに触れ、話ができ、子どもが生きているのを支えているのだから、すごい努力をしているよ」「私は子どもに『生きていてくれてありがとう』と心底言えるようになって自分も楽になり、子どもに受け入れてもらえたように思う」といった話が出されました。
 また、最近はお子さんが自分の感情のコントロールができるようになり、親子のコミュニケーションがだいぶ改善されてきたというお母さんは、「子どもを『なんで? どうして?』という<上から目線>で見てできないことばかりに目が行っていたように思う。『一緒に歩く』という気持になり、『転けたら子どもと一緒に転けた景色を見ればいい』と考えるようにしてから、子どもとの関係もだんだん良くなってきたと思う」とお話されていましたが、とても貴重なご意見だと思います。

10月の不登校関連事業のお知らせ

10月の不登校・ひきこもり関係事業をお知らせしますのでお近くの方にご紹介いただければ幸いです。八戸市でのフォーラム、お父さんとのトークライブというのは初めてなので、とても楽しみです。(転送歓迎)

【「昴の会~不登校をともに考える会」講演会・相談会】□日 時:10月24日(日)午後2時~午後3時30分 講演会「発達障害って何だろう」
      講師:発達障害者支援センターあおいそらコーディネーター 片山智博氏
午後3時30分~4時30分 当事者・家族の相談会
□場 所:北斗市総合文化センター「かなで~る」」(中野通2-13-1、JR清川口駅徒歩1分)
□資料代:300円(年会費納入の方は無料)
□連絡先:川崎(090-9438-0825) 岡崎(0138-49-9638)

【八戸市・不登校を考える市民フォーラム】
 ~地域で取り組む子育て世代応援事業 参加企画
□日 時:10月31日(日)午後1時~午後4時
□場 所:八戸市福祉公民館大会議室(八戸市類家4丁目)
□テーマ:「おとうさんがする不登校のおはなし」
   ゲスト ・澤上博則さん~八戸市在住。息子さんが小学5年生のときより不登校に。父親としてその姿をあ               りのまま受けとめていく。現在21歳の息子さんはトライアルバイク国際A級ラ               イセンスを保持し、全国各地のレースに参戦している。
       ・野村俊幸
□参加費:無料
□問い合わせ先 いろいろなはぐくみの会(0178-45-7108)   
             roiro@hagukumi.org

10月の不登校・ひきこもり関連行事のご案内

 遅くなりましたが、函館地域の10月の定例的な不登校・ひきこもり関連行事をお知らせします。

◆不登校の居場所「フリスペ」 ・日 時:毎週火曜日 午前11時~午後2時    ・参加費:無料
 ・場 所:函館地域交流まちづくりセンター(末広町4-19)3階オープンスペース電車通側
 ・連絡先:野村(090-6261-6984)
    ※ 活動場所を移動する場合がありますので、参加希望者は事前にご連絡をお願いいたします。

◆ひきこもり当事者の居場所 ・日 時:毎週木曜日 午後1時~午後3時  ・参加費:無料
 ・場 所:はこだて若者サポートステーション(元町14-1)
 ・連絡先:サポステ事務局(0138-22-0325)

◆道南ひきこもり家族交流会「あさがお」 ・日 時:10月3日(日)午後2時~午後4時 ・資料代:200円(年会費納入の方は無料)
 ・場 所:函館市総合保健センター2階会議室(五稜郭町・中央図書館向かい)
 ・連絡先:函館渡辺病院医療福祉科(0138-59-4198) 野村(090-6261-6984)

◆ひきこもり当事者の集い「樹陽のたより」 ・日 時:10月10日(日)午前11時~午後1時 ・参加費:無料
 ・場 所:函館地域生活支援センター2階(駒場町9-24)  
 ・連絡先:野村(090-6261-6984)

◆函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」
・日 時:10月17日(日)13:30~15:30   ・資料代:200円(年会費納入の方は無料)
 ・場 所:函館市青年センター2階第2クラブ(千代台公園・市電千代台電停入り口の右手)
 ・連絡先:野村(090-6261-6984)

◆「昴の会~不登校をともに考える会」講演会・相談会
 ・日 時:10月24日(日)午後2時~午後3時30分 講演会「発達障害って何だろう」
  講師:発達障害者支援センターあおいそら相談員 片山智博 氏
午後3時30分~4時30分 当事者・家族の相談会
 ・場 所:北斗市総合文化センター「かなで~る」(中野通2-13-1、JR清川口駅徒歩1分)
 ・資料代:300円(年会費納入の方は無料)
 ・連絡先:川崎(090-9438-0825) 岡崎(0138-49-9638)

窓ぎわのトットちゃん

 恥ずかしながら、大ベストセラーだった「窓ぎわのトットちゃん」を、やっと最近講談社「青い鳥文庫」で読みました。トットちゃんは典型的なADHDのお子さんですが、この状態をどのように理解し、どのように対処したらよいか、とても大事なヒントがたくさんあるように思います。
 そもそも「注意欠陥・多動」という概念が、「誰から見て、何を基準に」という視点が抜け落ちて一人歩きし、「障害イメージ」を固定しているのではないでしょうか?とても印象的だったものに、トットちゃんが学校の近くを通るチンドン屋さんが気になってしょうがなく教室の窓からチンドン屋さんを呼び込む場面があります。
 先生からするとまさに「注意欠陥」であり「多動」でしょうが、チンドン屋さんに対する関心からそちらに「注意を集中」し、さらにそれをすぐに行動に移すという「行動力」があるわけです。本人の「注意力」や「行動力」に対処できる環境を、周りがどれだけ用意できるかどうかが課題であり、こちらの枠組みを見直すこと抜きに、それに合わない子どもにレッテルを貼り、排除することが「特別支援教育」になってはいけないと思うわけです。そもそも「特別支援」という用語自体が変ですよね。そういったことは「当たり前」の支援のはずですので。
 そのことを前提に、自分の個性によりあった学びの場を、多様な選択肢のなかから主体的に選び取ることができるよう、柔軟な教育システムが整備されるべきだと思います。戦前に「トモエがくえん」のような学びの場があったことは奇跡に思えますが、トモエの実践は、まさに現在の良心的なフリースクールそのものではないかと思いながら感動して読了しました

全国合宿「親シンポ」での発言・その5

文字色【第3問】 今、思うこと、伝えたいこと
 6月に函館に若者サポートステーションが開設されまして、私も専門相談員として関わっているということから、今日は親の立場とソーシャルワーカーという立場から発言させていただきました。
 最後に2点だけお話させていただきます。一は、不登校について考えますと、あきらかに現在の教育システムの中で生じている問題です。ですから、これは教育改革の課題とリンクさせて考えないといわゆる不登校対策というものは、結局は個人や家庭の問題に還元されてしまって、これでは子どもの最善の利益を守ることはできないと思います。
二つ目ですが、先ほどソーシャルワークの考え方が役に立つと申し上げましたけれども、アメリカの社会福祉の臨床家のバイステックという方が打ち出した「ケースワークの原則」が非常に大きな役割を果たすと思っています。たとえば、クライアント一人ひとりの違いを大切にして関わろうという原則とか、解決策を押しつけるのではなくクライアントが自己決定できるように支援していく、あるいは、まずクライアントをそのまま受けとめる、いわゆる受容の原則など、とっても大切なことがそこで言われております。
 私は、そういったケースワークの原則のキーワードを「信じて待つことの大切さ」だと思っております。ただこれは何もしないということではなくて、わが子をしっかり理解する、そして受けとめるという行動をするということだと思っているんです。不登校していようがいまいが、ひきこもっていようがいまいが、あなたは本当にかけがえのない大切な子どもなんだ、生きているということが一番大切なんだというメッセージをしっかり繰り返し繰り返しお子さんに伝えていくということが必要なんだろうと思っています。
 函館の高校の大先輩である北島三郎さんの「終着駅は始発駅」という歌に「函館止まりの連絡船は青森行きの船になる/希望を捨てるな 生きてるかぎり/どこからだって出直せる 終着駅は始発駅~♪」という歌詞があります。
 これ、私は不登校の子どもや、やひきこもりの若者への応援歌だと思っているんです。ひきこもりりなって就職もできないということになるとですね、本人も家族も人生の終着駅に来たような気持ちになっちゃうんですね。だけれども、不登校やひきこもりに限らず、子育てでも人生そのものでも、そういう気持ちになることが何度もあると思うんですが、終着駅で旅の疲れをすっかり癒して、また出発すればいいじゃないかと思うんです。
 終着駅を始発駅にできるために、こういう各地の親の会やフリースクールやフリースペースが活動しておりますし、こういう全国の集いというものもあるんじゃないかなと思っております。「どこからだって出直せる、終着駅は始発駅」ということで、私の発言を終わりたいと思います。

全国合宿「親シンポ」での発言・その4

【親にしかできないこと、親だからできること】 それともう一つ、学校に行かない代わりに、どこそこに行かせるというのは、場合によっては、子どもを追いつめる結果になりかねないと思っておりまして、もちろん、お子さんのエネルギーが溜まってきて、何かやりたいという気持ちが湧き上がってきてたら、いい結果を生むこともありますから、お子さんの状態をよく見極めた上で、その場合も「疲れたらいつでも家に戻ってきていいんだよ」ということで送り出す。それを子どもさんにはっきり伝えることが大事だと思っています。
 これはもちろん、家庭が全て責任を負ういう意味で申し上げているのではなく、実際に学校に行くのが当たり前というのが一般社会の常識ですから、親とか家族だけでそういった気持ちにたどり着くのは難しいと思います。そこで、「親の会」の役割が大きくなってくると思うんです。
 私は社会福祉の支援活動にとっても親の会は大変有意義であることに気がつきました。その辺のことも先ほどご紹介した本の中で、わが家の体験と親の会の活動などをソーシャルワークの理論を使って説明しています。社会福祉活動の重要な一分野にグループワークという分野あります。中でも最近は当事者グループ、自助グループが重要視されています。
 この自助プグループの役割は5つほどあると思っています。一つは体験者の生の話を聞く。二つ目は、当事者自身が自分の悩みや体験を語ることで自分の気持ちも整理して次のステップに進むことができるということ。三つ目は、当事者同士の語り合いを通して、ピアカウンセリングというの役割を果していくだろうということ。四つ目は、たとえば学校との関係をどうしたらよいかとか、社会資源や関係機関をどう活用していっらよいかというようなことを相談する。言ってみれば作戦会議のようなこともする場であること。五つ目は、不登校についての社会の理解を広るために講演会だとか研修会などを開催したり、課題によっては行政機関や学校などにいろいろ働きかけたりするという点です。
 わが家の体験を振り返ってみても、長女のときにこういった「アカシヤ会」のような会があったら、もっと早く私は長女の不登校を受けとめて、長女をあんなに苦しめないですんだんじゃないかなと思っているわけです。二女のときに学校に行くのを強制しないですんだのは、「アカシヤ会」などに参加して、これでいいんだと自信を持つことできたこと、そして東京シューレなどから発信される不登校についての的確な情報を知ることで、こういう活動を続けることができたんじゃないかなと、心から感謝しております。
プロフィール

野村俊幸

Author:野村俊幸
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