道南ひきこもり家族交流会「あさがお」例会より①

 今年最初の例会は1月19日、寒波襲来にもかかわらず家族・当事者17名、サポーター4名の21名が参加、大変お忙しい中前回に引き続いて当会顧問の精神科医・三上昭廣先生(函館渡辺病院理事長)も参加され、示唆に富むとても有意義なお話をしていただきました。2月9日例会は家族・当事者名16名、サポーター名4名の20名が参加、終了後の新年会にも11は名が参加し、楽しく語り合いました。
 樹陽のたよりの1月例会はお休みで、2月例会は8名が参加、近況など和やかにおしゃべりしました。

 福祉現場で10年以上頑張ったお子さんが、職場の人間関係や相当にハードな仕事のために数年前に体調を崩し退職、自宅に戻ってひきこもり気味の生活になりました。ご両親が共働きなので家事全般をやってくれて普段の生活は穏やかなのですが、就職などこれからのことを話すると表情が一変し、親との会話を拒絶するそうです。
 ご両親にしてみれば、子どもはだいぶ自宅で休養したのだから「そろそろ動き始めてほしい」と思うのですが、どう接したらよいか悩み、サポステでの相談を通して当会にも参加されました。例会での話し合いを通じて、将来のことなどを親が本人に問い詰めるような話の仕方を改め、共通の趣味などを話題にするよう心がけてから、本人の表情も和み、家庭の雰囲気も穏やかになったそうです。
 親としてこれからのことはもちろん気になりますが、今はこの家族関係を大事にして、親が先回りしてあれこれ考えるのではなく、本人と一緒に進んでいきたいと仰っています。
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4月の行事案内

函館地域の4月の不登校・ひきこもり関連行事予定をお知らせします。

◆登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会「多様な学び」第7回勉強会
・日時:4月5日(土)13時30分~15時30分
・場 所:函館市総合福祉センター「あいよる」3階第1会議室(若松町33-6)
 ・資料代:200円(会員は無料)   ・連絡先:高石(090-1304-0586)

◆「ふぉろーず」勉強会 <概ね第1日曜日に開催>
 ※ 思春期以降に自閉症スペクトラム障害(高機能自閉症・アスペルガー障害・その他の広汎性発達障
害)の診断を受けた方及びその可能性のある方の家族による勉強会
 ・4月6日(日)13時30分~15時30分
 ・函館市総合福祉センター「あいよる」2階第2会議室(若松町33-6)
 ・参加費:無料    ・連絡先:野村(090-6261-6984) 

◆ひきこもり当事者の集い「樹陽のたより」例会 <概ね第2日曜日に開催>
 ・4月13日(日)11時~13時
 ・函館地域生活支援センター2階(駒場町9-24)
 ・参加費:無料 ・連絡先:野村(090-6261-6984)
 
◆道南ひきこもり家族交流会「あさがお」例会 <概ね第2日曜日に開催>
 ・日時:4月13日(日)14時~16時 (15:30~総会)
 ・今回は、発達障害者支援センターコーディネーター「あおいそら」の片山智博さんに、「発達障害と
  何か、どのように対処したらよいか」について講演いただき、質疑・意見交換を行います。
・場所:函館市総合保健センター2階会議室(五稜郭町23-1)   ・資料代:200円(会員は無料)
 ・連絡先:函館渡辺病院医療福祉科(0138-59-4198)  野村(090-6261-6984)

◆登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会 例会 <概ね第3日曜日に開催>
・日時:4月20日(日)13時30分~16時
・場 所:函館市総合福祉センター「あいよる」4階会議室(若松町33-6)
・資料代:200円(会員は無料)   ・連絡先:野村(090-6261-6984)

◆「昴の会」~不登校をともに考える会 例会 <概ね第4日曜日に開催>
 ・日時:4月27日(日)14時~16時 16時~社会福祉士による個別相談 (終了後、新年会開催)
・場所:北斗市七重浜住民センター「れいんぼ~」3階研修室(JR七重浜駅に隣接)
 ・連絡先:川崎(090-9438-0825)   ・資料代:300円(会員は無料)

不登校の子ども 選択肢増は朗報 (北海道新聞「読者の声」) 

 「不登校」の子ども・親・経験者をつなぐ手づくり冊子「ゆきどけ」を主宰している沢向悦子さんの素晴らしい投稿が、3月23日の北海道新聞「読者の声」に掲載されました。ご本人の了解を得ましたので、紹介させていただきます。
【不登校の子ども 選択肢増は朗報】 自営業 沢向悦子 29歳 (北見市)
 17日の教育面で、不登校のkどもたちを専門に受け入れる市立中が校が道内で初めて札幌に開講すると知った。
 私自身、小学4年生から不登校を経験し、民間の全寮制フリースクールで育った。現在は全国の不登校の当事者・親・経験者をつなぐ冊子を主宰しているので、この記事をうれしく読んだ。
 不登校の子どもたちの選択肢が増えることは何よりうれしい。家庭で過ごす・フリースクールで過ごす・そいて、こうした学校で過ごす-などだ。
 不登校の子どもの選択肢に、公的なものが良いかたちで食わることを歓迎したし。もちろん何を選ぶかは、いつでも子ども本人の意思を最優先に決定してほしいと思う。
 どんな選択をするにしても、子どもをゆっくり休ませて、焦らせたり、強要させたりせずに、静かに寄り添って見守ってほしい。

明橋大二さんの講演の動画をU-tubeっで見ることができます

 大ベストセラー「子育てハッピーアドバイス」シリーズでお馴染みの明橋大二さんが、1月13日大阪で開催された
「これからの子育て・教育を考えるフォーラム」で基調講演した動画を、「多様な教育を推進するネットワーク」から
お送りいただき、明橋先生のご了解も得ているそうですので、紹介します。
「自己肯定感」を育むことを土台にしなければ「しつけ」も「勉強」もうまくいかないこと、子どもがしっかり「甘える」(「甘やかし」とは違います)ことができてこそ「自立」が可能になること、おとなも自己肯定感を高めなければ子どもの自己肯定感が育たないことなど、「子育てハッピーアドバイス」のエッセンスが詰まった内容です。
 「ハッピーアドバイスシリーズを読んで、子育てが楽になった」という知り合いがたくさんいます(*^_^*)

http://www.youtube.com/watch?v=b5v1d1Uj0MQ (1)
http://www.youtube.com/watch?v=fuue5Ai2FiQ (2)
http://www.youtube.com/watch?v=9M2nvDsX5N0 (3)
http://www.youtube.com/watch?v=9wdOi-BerV0 (4)
http://www.youtube.com/watch?v=zpWSMliv9kA (5)
http://www.youtube.com/watch?v=0SVKbaVT8D8 (6)

*「わが子が不登校で教えてくれたこと」(文芸社)千円+税
 残部僅少。書店注文または著者より直送可(送料は当方負担)

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑯(ラスト)

【最後に】
 もうひとつだけふれたいのは、私は20年近く「アカシヤ会」に参加していますが、そこで話される不登校の悩みは、今も20年前もほとんど変わっていません。
 不登校に関しては、「ひきこもり」よりは社会の理解が進んできたように表面上は見えますが、学校に行けないことでその子の未来が閉ざさるように考えてしまい、その子の価値そのものが否定さるように感じてしまう現実は、今も変わっていません。
 20年経っても事態が変わらないことに、いささか疲労感と空しさを感じていますが、だからこそ不登校の理解と支援には、「教育とは何か」という本質的議論が必要だと考えまして、「白書」146ページのアカシヤ会「多様な学びの場の創造部会」で、教育問題の専門家であります高石さんがそのことについてふれておりますし、レジメにも函館新聞の記事を載せておりますので、是非ご覧ください。
 不登校やひきこもりもに対する私たち大人や社会の「否定的な眼差し」を和らげ克服していくことも、相談支援活動の大きな役割であることをを申し上げまして、私の報告を終わります。ご清聴ありがとうございます。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑮

【「あさがお」命名の由来】
 ひきこもりの人は70万と言われていますが、ひこもりについて社会にまだよく理解されていないために、当事者や家族が不安になるという現実もありますので、
この課題につきましても、是非皆さま方のご理解とご支援をお願いいたします。
 最後に、この「あさがお」という会の名称の由来を紹介さていただきますが、やはりニックネームがあった方がよいということになり、例会で話し合いましたら、「アマテラス会」という案が出ました。アマテラスオオミカミが日本の元祖ひきこもりだろうということで、半分冗談で出た意見ですが、これでは宗教団体に間違われるということで、これは没になりました。
 すると、統合失調の治療を受けながら会に参加していた若い女性の方から、この「あさがお」が提案されました。「あさがおが朝きれいな花を咲かせるのは、夜の深い闇と冷たい空気があるからだと聞いたことがある」というお話に、参加者一同深く感銘し、満場一致で「あさがお」となった次第です。
 ここに「ひきこもり」をどのように理解し受けとめたらよいのか、本質に迫る答があるように思います。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑭

【「道南ひきこもろ家族交流会」発足の経過】その3
 つまり、「不登校がひきこもりの原因になった」というよりは、むしろ「しっかり不登校しなかった」というか、安心して不登校できなかった、させてもらえなかったために「ひきこもり」に追い込まれたのではないか」と考えるようになりました。
 これは考えて見れば誠に自然な話で、例えて言えば、うつ病の患者さんを励まして早く職場復帰させたはいいが、再発してさらに病状が重くなり、結局は退職してしまったという状況に似ていると思うのです。
 不登校やひきこもりのお子さんが全てうつ病とはかぎりませんが、とても心が疲れた状態、辛い状態になっていて、大なり小なり抑うつ的な気持ちになっている場合が大半ですから、そんなとき、つまり休むべきときに十分休むことができず、エネルギーが溜まりきらないうちに無理に学校や社会に引っ張り出しても、気力も体力も続かず、今度は普通に生活するために必要な、いわば基礎的なエネルギーまで取り崩して、動けない状態になってしまったのだと思います。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑬

【「道南ひきこもり家族交流会」発足の経過】その2 
 さらに、青年期に特有の心の不安定さも重なって、様々な精神疾患のような症状を訴える方も多いものですから、こちらの会は精神科医や保健師さん、スクールカウンセラー、医療ソーシャルワーカーなどの専門職の方々にも参加いただき、2003年に「道南ひきこもり家族交流会」を立ち上げて、現在は函館渡辺病院の医療福祉科と私が共同事務局を務めております。
 ひきこもりを経験した方やご家族のお話をうかがいますと、程度の差はあれ不登校気味の方が多く、「何とか高校受験まではがんばった」とか「高校はだましだましクリアしたけれど、大学に入ってから行けなくなった」というケースがたくさんあります。
 3ページの(3)で「ひきこもりの動向」を紹介してますが、平成15年の国立精神・神経センターの調査によれば、ひきこもり相談者の約6割が何らかの形で不登校を経験しているというデータもありますので、こういったことから、世間一般ではどうしても「不登校を早く治さないとひきこもりになる」という話になりがちなのですが、私は話が逆ではないかと思います。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑫

【「道南ひきこもり家族交流会」発足の経過】その1
 時間が押してきましたので、3ページの「道南ひきこもり家族交流会」につきましては、なぜこの活動を始めたのかについてだけ、簡単に申し上げます。
 「アカシヤ会」に参加するのは、始めのころは小中学生のお子さんの親御さんが大半でしたが、だんだんお子さんの年齢が上がってきて「高校に行かなくなった」とか「大学に進学したけど行けなくなって、そのまま家にいて外に出なくなった」というケースが増えてきたことがとても気になっていました。
 不登校にもいろいろあって一概に言えませんが、中学校までは「無理に学校に行かなくても大丈夫」と親子共々思えるようになりますと元気になっていく場合が多いのですが、高校生以上の年代になりますと、例えば「中退するのは仕方ないけど、その後どうするのか」といった問題がすぐに出てきて、本人にとっても親にとってもそれがすごく大きなプレッシャーになってのしかかってきます。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑪

【不登校への基本的対処】その2
 子ども一人ひとり成長のプロセスもスピードも違いますから、学校の決めた枠組みに合うか合わないかで子どもを評価しないで、不登校も「その子の成長にとって必要なプロセスかもしれない」と受けとめ、その子に対する自分たちの関わり方や、学校や家庭の環境はどうだったのかを見つめ直す良い機会であると、前向きに考えていただきたいのです。
 学校復帰が「学校のための方針」になっていては本末転倒で、支援の目的は子どもが元気になることですから、元気になって学校に戻る子もいれば、学校以外に自分の道をみつけて進む子どももいますので、学校復帰は「目的」ではなく「結果」のひとつと考えていただきたいのです。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑩

【不登校への基本的対処】その1
 次の「不登校への基本的対処」につきましては、「子どもを学校に戻す」ことを不登校の解決と考えている限り、事態は改善されないと思います。
 学校や親御さんが「学校に戻ることが解決」と始めから決めてかかりますと、「登校できない子どもに問題がある」ということになってしまいがちで、それを治すこと、学校に戻すことばかりに気持ちがいってしまいます。
 こうして本人をおいつめ、強迫症状や自傷行為、拒食・過食などの摂食障害、抑うつ状態からの閉じこもり、家庭内暴力など精神疾患のような状態になることもしばしばありますので、このような「二次障害」を引き起こさないよう、細心の注意が必要です。
 ある会のご家族に、お子さんが高校生で不登校になったとき、熱心な先生が家に押しかけて寝ている本人のふとんをはがして学校に連れて行こうとしたら激しく抵抗し、その後から部屋にこもったっま7年間、親と全く顔を合わせなくなったという方がいます。
 個人情報ですから詳しいことはお話できませんが、こういった深刻な事態は珍しい話ではなく全国各地でうかがいますしが、こうなりますと家族関係の修復にとてつもないエネルギーが必要になりますので、こちらの考えや方針を力ずくで押し付けるのは絶対にやってはいけませんし、それは、先ほどの倫理綱領にあります「人権と社会正義」に反する行動です。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑨

【自助グループの役割】その3
 一方、学校や教育行政はどうでしょうか。全国各地でたくさんの不登校の親の会やフリースクール、フリースペースが活動していますが、学校や教育行政がこのような活動を支援し、積極的に連携しようという動きは残念ながらまだ少ないように思います。
 最近は私どもの会にも、先生から紹介されて参加される方が増え始めていますので、そのような学校関係者には心から感謝申し上げますが、学校との関係に疲れ切って、必死に情報を探した末にたどり着いたという親御さんの方がまだまだ多いのが現状です。
 このように、保健医療福祉分野の行政と自助グループとの関係に対し、教育行政や学校と当事者グループとの関係の違いはどうして生まれるのでしょうか? これも大きな課題であると思います。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑧

 福祉の分野では、ずっと以前から、認知症や各種障害に関わる家族会や当事者の会が、行政や関係団体とも連携しながら活動を続け、福祉施策の充実を進めるうえで大きな役割を果たしてきましたし、保健医療分野でも各種の難病やがん患者の会、精神障害者家族会など病気の分野ごとにこのような当事者活動が発展し、行政や関係機関なども積極的に連携しています。
 私は、児童相談所に3年、保健所に4年勤務し、児童虐待への対応や子育て支援、思春期保健、精神保健福祉分野の仕事をしてきましたが、保健師さんや児童福祉士など現場で具体的に相談支援活動にあたる専門職は、地域にどのよう自助グループがあってどのような活動をしているのかをきちんと知り、そのような活動としっかり手を繋ぐことが、良い仕事をするための必須条件です。
 福祉の分野では、ずっと以前から、認知症や各種障害に関わる家族会や当事者の会が、行政や関係団体とも連携しながら活動を続け、福祉施策の充実を進めるうえで大きな役割を果たしてきましたし、保健医療分野でも各種の難病やがん患者の会、精神障害者家族会など病気の分野ごとにこのような当事者活動が発展し、行政や関係機関なども積極的に連携しています。
 私は、児童相談所に3年、保健所に4年勤務し、児童虐待への対応や子育て支援、思春期保健、精神保健福祉分野の仕事をしてきましたが、保健師さんや児童福祉士など現場で具体的に相談支援活動にあたる専門職は、地域にどのよう自助グループがあってどのような活動をしているのかをきちんと知り、そのような活動としっかり手を繋ぐことが、良い仕事をするための必須条件です。

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福祉の分野では、ずっと以前から、認知症や各種障害に関わる家族会や当事者の会が、行政や関係団体とも連携しながら活動を続け、福祉施策の充実を進めるうえで大きな役割を果たしてきましたし、保健医療分野でも各種の難病やがん患者の会、精神障害者家族会など病気の分野ごとにこのような当事者活動が発展し、行政や関係機関なども積極的に連携しています。
 私は、児童相談所に3年、保健所に4年勤務し、児童虐待への対応や子育て支援、思春期保健、精神保健福祉分野の仕事をしてきましたが、保健師さんや児童福祉士など現場で具体的に相談支援活動にあたる専門職は、地域にどのよう自助グループがあってどのような活動をしているのかをきちんと知り、そのような活動としっかり手を繋ぐことが、良い仕事をするための必須条件です。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑦

【「自助グループ」の役割】その1
 毎月の例会は、「今うちはこんな状態なんだけど、お宅はどうだった?」とか「こんなことで困っているけど、どうしたらいいだろう」など自分たちの現状を語り合うオシャベリの場であり、専門家も参加する場合でも、その方々に相談してアドバイスを受けることが目的ではありません。
 しかし、このオシャベリがとても大事で、会に参加して、他にも同じような悩みを持つ人がいることを知ると、「自分だけではない」ということで少し安心できます。
 そして「同じような境遇の人ならば自分の話も分かってもらえるのではないか」と感じ、安心して話ができます。
 するとても心が軽くなり、だんだんと自分の気持ちが整理され、いろんな人の体験談を通して自分自身を振り返ることもできるようになりますし、子どもが動き出した体験談や、子どもとどう接したかという具体的な経験を聞くことで、煮詰まった気持が解きほぐされ、子どもとゆとりを持って関われるようになっていきます。
 このように不安や悩みを言葉にして吐き出すことで、苦しみが軽くなり安心感を得ますので、心が浄化される、洗われるという「カタルシス効果」をもたらし、本当に気持ちが楽になります。
 また、このように当事者同士が語り合うことで問題解決の手がかりを得ていく方法が「ピア・カウンセリング」ですが、その役割を発揮する場にもなります。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑥

【函館アカシヤ会に参加して】その2
 今年40歳になる長女は中学2年が始まって間もなく不登校になりましたが、25年以上前のことで、私はどうしてよいか分からず、ひたすら学校に戻すことばかり考え、長女を病人のような状態になるまで追いつめてしまいました。
 その反省があったものですから、今年30歳になりました次女が、小学校4年生になって間もなく不登校になったときは、比較的冷静に考えることができて、学校に無理に行かせることはしませんでしたが、不登校が長引きますと、やはり「このままで良いのだろうか」と不安にかられます。
 そんなとき、幸いに1993年に「アカシヤ会」がスタートしていて、児童相談所からお聞きしましたので、早速連絡を取り、例会に参加するようになりました。
 この会は、不登校で悩むお母さんたちや養護教諭の小林恵美子さんたちが、その前年に不登校についての講演会を開催したのをきっかけに毎月集まりを持つようになったもので、「アカシヤ会」という名前は、その講演会を開いた場所が、今はホリディスポーツクラブになっていますが、当時の「ホテルアカシヤ」だったので、その名前を使ったそうです。
 私が次女の不登校に対して、比較的落ち着いて対処を続けることができたのは、このアカシヤ会に参加して、同じような悩みを抱え、共通の体験をしている皆さんと定期的に話し合うことができたからで、本当に感謝しています。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告⑤

【函館アカシヤ会に参加して】その1
 時間の関係上、各団体の活動を詳しく説明することはできませんから、レジメの冒頭に不登校やひきこもりに関連する白書のページを記載しておりますので、後ほどご覧いただきたいのですが、134ページに「かとうメンタルクリニック」の加藤知子先生が「メンタルクリニックの診察室から」というレポートを寄稿されております。
 ここには、「不登校をどのように捉え、どのように関わるべきか」について最も重要な基本点が述べられていますが、残念ながらまだまだこのような考え方が十分理解されていませんので、子どもに係る皆さま方には是非このような理解を広めていただくようお願い申し上げます。
 ともかく、何十万人という日本の小中学生、高校生が、学校に背を向け、しかもそれが長期間続き、一向に減る気配を見せていないという現実を、私たちはまずしっかり受けとめることがまず必要だと思います。
 学校現場では先生方も大変な努力をされているでしょうが、トータルとして見た場合、文部科学省が膨大な予算とエネルギーを費やして進めてきた「不登校対策」が、果たして妥当なものだったのかどうか見直す必要あると思います
 次にレジメ2ページで「函館アカシヤ会」の活動を紹介しています。わが家の体験は時間の関係上省きますが、長女が不登校になったとき、このような会があったらあんなにも長女を苦しめることはなかっただろうとつくづく思っています。

「はこだて子ども白書』」シンポジウム報告④

【不登校の現状】その2
 それと、全国的には中学生になるとグンと出現率が上がり、在籍者の2.56%、つまり39人に一人ということですから、単純平均で1クラスに一人くらいはいるという計算になりますが、この数字が不登校の実態を表すとは、私はとても思えないのです。
 と申しますのは、このデータは「年間30日以上、病気などの明確な理由がなく休む」という人数ですから、例えば毎日保健室に登校するなどして、30日以上欠席にならない子どもは不登校にはカウントされませんので、実質的に不登校状態の子どもや、さらには行き渋りながらも無理に登校している、いわば潜在的な不登校のお子さんは、その何倍もの人数になると思います。
 また、最近とても気になるのが、何日か休むと、すぐに学校から精神科を受診するように勧められるケースが増えていることです。
 もちろん、最近は子どものうつ病も増えていますので、病気の場合はきちんとした治療が必要ですし、道南地域には不登校に理解のあるお医者さんもたくさんおりますので、そのようなお医者さんから無理しないでゆっくり休むようにアドバイスをいただき、親子ともども安心し、学校も理解してくれる場合もあります。
 しかし、受診して何からの病名がつきますと、これは不登校ではなく、病欠にカウントされますので、まさか、不登校の人数を少なくするために学校が受診を勧めている訳ではないでしょうが、周りが不登校を否定しないで少しゆっくり休息させてあげると元気を回復するケースまで病気にされてしまう心配ももありますので、マニュアル的な不登校対策にならないよう、学校には十分配慮をお願いしたいと思います。

「はこだて子ども白書」シンポジウム報告③

【不登校の現状】その①
 それでは本論に入りますが、今日ご参加の皆さんの中で、不登校のお子さんを知っている、あるいはそのようなお子さんのいるご家庭を知っているという方はどのくらいおいででしょうか?
 今日は教育や福祉に関わる方が多いので、半数以上の方が手をあげましたが、そうでない一般の方が参加する集まりでも、いつもだいたい3割くらいの方が手をあげまして、昨年11月に福島町PTA研究大会にお招きいただいたときも、70名ほどの参加者の3~4割が手をあげました。
 ですから、不登校について文部科学省は、以前は子どもの性格や親の育て方の問題と言っていましたが、これだけ増えてきますとそれでは説明がつかなくなり、1992年から、何か特別の事情がある家庭や子どもに起こる問題ではなく、どの家庭にも普通に起こることだと見解を変えています。
 レジメ1の「不登校の現状」の詳しいデータは後ほどご覧いただきたいのですが、要するに全国で約17万以上の小中高校生が不登校です。
 函館市はデータを公表していないので実数は分かりませんが、道内の出現率を当てはめますと、今年度の小学生は11,396人ですので約28人、中学生は5,946人ですので約130人という計算になり、合わせると150人以上が不登校かもしれません。

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「はこだて子ども白書」シンポジウムでの発言②

【ソーシャルワークの基本的な視点】その②
 一般的にソーシャルワークは「生活についていろいろ困っている人を助ける仕事」というようには理解されていると思いますし、それも重要な活動ですが、それだけですと、そういった困った問題を抱えていない人には関係のない分野の話になってしまいます。
 しかしこの定義によれば、人間が人間としてよりよく生きるための活動なわけですから、福祉分野にとどまらず、より広く、子育てや教育現場などでも役に立つ活動です。
 また、「ソーシャルワークは、人間の行動の社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響しあう接点に介入する」とありますように、今起きている問題を個人の病理、個人の抱える問題とだけ捉えるのではなく、その人とその人を取り巻く環境との相互作用の中で起きている問題であると考えますので、環境の改善も含めて問題の解決を目指すわけですが、このような考え方も、ソーシャルワークに限らず、おとなが子どもたちと関わる際にもとても重要なことだ思います。

「はこだて子ども白書」シンポジウムでの発言録①

【南北海道教育臨床研究会冬期シンポジウム(2014年2月22日 函館短期大学)】
「はこだて子ども白書から見えてくること~不登校・ひきこもり相談支援活動を通して

【ソーシャルワークの基本的な視点】その①
 ご紹介いただきました野村です。「はこだて子ども白書」の刊行を心からお祝い申し上げますともに、このような発表の機会を与えていただきました主催者の皆さまに心から感謝申し上げます。
 私は二人の子どもがのべ10年以上不登校だったといういきさつから、長年不登校やひきこもりの相談支援に関わってきたことから、関連するいくつかのレポートを白書に掲載していただきました。
 今日はそのことを手がかりにお話させていただきますが、最初に私の基本的なスタンスを簡単に申し上げますと、ひとつは不登校の子どもの親という当事者のスタンスであり、もうひとつは、35年間道庁に務めて5年前に退職してからは、社会福祉士と精神保健福祉士という立場で函館臨床福祉専門学校と教育大学函館校で講師や、いろいろな事情で就労や社会参加に足踏みしている若者を支援する「はこだて若者サポートステーション」の相談員を務めていますので、ソーシャルワーカーというスタンスです。
 そこで、レジメでは社会福祉の専門職団体が採択しております「倫理綱領」を紹介しておりますが、「ソーシャルワークの専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を促していく」と書いてあります。
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野村俊幸

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