いわき市講演会㊸:「発達障害が増えた」は本当か?

※久ぶりにいわき市講演会もレポートを再開します。

 本日の主催者である 「たけのこの会」から事前に「発達障害についてもふれてほしい」というご要望もいただいております。不登校やひきこもりの背景にこの問題がある場合も多いので、だいぶ時間が押しておりますし、私はこの分野の専門家はありませんが、基本的な考え方だけふれまして、あらためてこの後の意見交換の中で具体的なお悩みなども出していただいて、一緒に考えたいと思います。
 最近よく「発達障害が増えている」と聞くのですが、「増えている」という表現に私は大きな疑問があります。なぜかと言いますと「発達障害者支援法」第2条の「定義」では、「発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と書いています。
 この定義が適切かどうかいろいろ議論があるでしょうが、この法律を基に様々な支援策が講じられていますので、これを前提に考えてみますと、「低年齢で発現する脳機能の障害」とありますので、親の育て方とか本人の努力不足という話ではなく、生まれつきの障害ということになります。すると、それが近年急激に増えたというのは少し変はないでしょうか?
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多様な教育機会法の今国会での成立を期す要請文③

3.個別学習計画の作成にあたりましては、子どもの意思やニーズが最も尊重され、その子の個性や意欲を伸ばすため、多様性と柔軟性を持った支援としておこなわれること、ひとりひとりの子が安心と信頼を持って、学習計画作成に参加できるようになることを期待しています。したがって個別学習計画を審査する教育支援委員会には、多様な学びのあり方を理解し、支援できる人材の配置をお願いいたします。

4.学習支援に際して、家庭訪問が定期的に行われる案になっています。確かに虐待などの発見にも必要でありますが、過去の経緯から、子どもや保護者が恐怖感や拒否感を持っている場合には、その他の方法も考えながら幅を持って行われるようにしていただきたいと考えます。

5.経済的支援は、今日重要であり、子どもの貧困問題はフリースクールでも直面しており、四苦八苦しつつ、子どもを支えてきました。一人ひとりの子どもが安心して学んでいけるように、学校教育と格差なく行われる支援が望ましいと考えます。ぜひ、具体的な財政措置がなされるよう切望いたします。

最後になりますが、この法律がひとりひとりの子どもの学ぶ権利を国が保障する形で起案されていることに強く賛同するとともに、これを真に実のあるものにするためには、福祉、その他様々な社会機関、親の会などとも連携し、それぞれの保護者が安心して子どもの学び・育ちにかかわっていけるよう進めていただきた
く思います。私たちはこの法律の早期成立を強く望んでおります。議員の皆さん
のご尽力をよろしくお願いいたします。

多様な教育機会確報の今国会での成立を期す要請文②

1.この法案の目的及び基本理念は大変良くできており、ひとりひとりの子どもの多様な学びを支援すること、国の責務が明記され    たこと、基本方針を定める際、民間団体その他の関係者の意見も聞く、と位置付けられたことなど高く評価しております。なかで    も、学校以外の場で学習することが正式に認められようとしていることは、いじめその他様々な事情で不登校となっている子どもと  その保護者にとって、学び場が多様な教育機会の中から選べることになり、教員も無理に学校へ戻すのでなく、その子にあった選  択を共に考えることになり、子どもの学ぶ権利がより前進すると考えられ、大変歓迎しております。

2.ここでご理解いただきたいのは、不登校の子が学習する学習場所は、座長試案に示された「自宅」、「フリースクール等」、「教     育支援センター」だけではなく、サドベリースクール、インターナショナルスクール、自主夜中、外国人学校などさまざまな場所で    学んでいるのが実態であり、フリースクール等の「等」に入っているかもしれませんが、多様な学び場に線引きできないことをご    理解いただきたいと思います。

多様な教育機会確保法の今国会での成立を期す要請文①

「確保法」成立に向け、 6月16日に国会内で集会が開催され、次のような要請文が採択されました。とても重要な内容なのでご紹介します。
【多様な教育機会確保法(仮称)の今国会での成立を期す要請文】
2015年6月16日
NPO法人フリースクール全国ネットワーク
多様な学び保障法を実現する会

 去る5月27日、「超党派フリースクール等議員連盟」と「夜間中学校等義務教育拡充議員連盟」と合同で総会が開催され、馳座長より多様な教育機会確保法(仮称)の試案が示され、参加議員の了解とともに、立法チームが発足という段階にいたりました。
 日本に不登校が増加しはじめて40年、はじめは、首に縄をつけてでも学校復帰をさせようという対応がなされましたが、それでは苦しい状態に追い詰められる結果になる例も多く、30年前より学校外の居場所、学び場であるフリースクールが広がり、成長支援がおこなわれるようになりました。学校には行け(か)ないが、フリースクールでは安心、自信を得て、それぞれの個性やペースで元気に育ち、自立していきました。
 しかし、フリースクールは、学校外でしたから、公的支援がなく、親はかなりな経済的負担に苦しみ、また運営も楽ではありませんでした。その上就学義務の関係で、通わない学校に籍を置く二重籍問題も生じ、そのための混乱やあつれきは、家庭と学校相互の関係にも不信を生じさせ、子どもに罪悪感も持たせました。
  そこで私たちは、10数年前から、学校だけでなく、多様な学びが選べ、不利にならない仕組みを求めて活動してきました。幸いに超党派フリースクール議連の皆様のご尽力で法案の相談もでき、国会上程の寸前という段階を迎えております。私たちは、この法案に大きく賛同する立場から、今国会の成立を期し、次の事を要請いたします。

6月の不登校関連行事のお知らせ

 6月14日の道南ひきこもり家族交流会「あさがお」例会はご家族・当事者16名、協力者8名の24名が参加、ひきこもり体験者の集いである「樹陽のたより」も9名が参加、いずれも内容の濃い有意義な例会でした。
  今月の不登校関連行事は次のとおりですので、関心をお持ちの方にお知らせいただければ幸いです。

【登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会 例会】
6月21日(日)午後1時30分~4時、函館市総合福祉センターあいよる4階会議室(若松町33-6)。
不登校の子どもを持つ家族や過去に経験のある家族、教師、支援者らが集まり、
悩みや子どもとの関わり方などについて話し合う。資料代200円。
(連絡先:野村?090-6261-6984)

【「昴の会」~不登校をともに考える会 例会】
6月28日(日)午後2時~4時、北斗市七重浜住民センターれいんぼ~。
不登校やひきこもりの子どもを持つ家族や過去に経験のある家族、教師、支援者らが集まり、
悩みや子どもとの関わり方などについて話し合う。資料代300円。
(連絡先:川崎?090-9438-0825)

著書 『カナリアたちの警鐘~不登校・ひきこもり・いじめ・体罰ヘはどにように対処したらよいか』
  文芸社セレクション・文庫版、700円+税 書店注文または送料著者負担により送付可 

北見教育講演会のお知らせ

 北見市で次のような講演会が開催されますので、お近くに関心をお持ちの方がおられましたら、お知らせいただければ幸いです。
【教育講演会:わが子が不登校で教えてくれたこと~子どもをまるごと受けとめよう】
◇日 時  2015年6月27日(土) 18時30分~20時
◇会 場  北見市民会館 4号室(定員80名)
◇講 師  野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)
◇参加費 500円 託児を希望する方は6月19日までにお申し込みください。
◇主 催  「育ちなおし」を考える実行委員会  北見市教育委員会
 後 援  北見市  北見すてっぷ~不登校を考える親たちの会 
       北海道自閉症協会オホーツク分会  オホーツクADHD&LD懇話会
       こぐまちゃんの会 森のこぐま社  図書館ネットワークサービス
◇問い合わせ先 こびとのうち保育所 ☎0157-36-4441

「多様な教育機会確保法案」に関する毎日新聞社説

 毎日新聞の5月31日、「教育機会の保障 多様化の利点を生かせ」と題して、「多様な教育機会確保法」(仮称)について、次のようなの社説を出しています。

 義務教育でも、学びの多様なかたちや学び直しの機会は、広く保障されるべきだ。
 超党派の国会議員が立法準備を進めている「多様な教育機会確保法」(仮称)案は、そうした考えに立っている。学校教育法の学校に該当しないフリースクールなど、不登校の子供らが選択した学びの場を制度的に認め、支援も行うという。
 不登校の小中学生らが通うフリースクールは全国に約400、学ぶ子供は約2000人ともいわれるが、文部科学省もまだ把握しきれていない。一方、2013年度の不登校小中学生は約12万人に達している。公的支援がないため、フリースクールに通うにも学費などの経済的負担は小さくない。
 また、夜間中学に多い、学齢期を超過したが学び直したいという人たちへの機会保障も課題だ。
 この議員立法は基本的な理念と国の責務などを骨格にし、成立すれば、文科省が具体的な制度設計をした後、学校教育法改正を経て、17年度施行を目指している。
 実現すれば、学習指導要領を軸に固定された「単線型」の義務教育制が、多様な「複線型」に幅を広げるともいえ、大きな転換だ。
 案では、フリースクールや自宅など、学校外での学びを選ぶ場合、保護者は子供との話し合いやスクールなどの助言を踏まえ「個別学習計画」を作成、市町村教育委員会に申請する。教委が認めて計画が実行されれば、修了とみなす想定だ。
 また教委の指導やスクールソーシャルワーカーらの訪問などで学習の質を保証し、財政支援も図る。
 だが、懸念もぬぐえない。 教委の関与が条件を狭めたり、一定の型にはめたりするおそれはないか。審査や認定はどんな手法で行うのか。フリースクールなどには定型化されない多様性や個性を特徴とする面もあり、メリットでもあろう。
 それらの難しい課題をどういう仕組みで解決していくか。学校教育改革の弾みにしていくためにも、細心の設計が必要だ。
 かつて例外的な問題とみなされがちだった不登校は、1990年代には「どの子にも起こりうる」と認識を改められた。その選択する学びの場やかたちが制度的にも「例外」ではないとされれば、教育機会の保障だけではなく、学校教育を豊かにする効果も期待できよう。
 また忘れてはならないのは、深刻な貧困率や境遇の格差、虐待、放置などといった問題で就学の機会を奪われた子供たちだ。
 今回の改革をそうした実態にも扉を開き、改善へつながる手立ての一つともしたい。

6月のひきこもり関連行事のお知らせ

【ひきこもり当事者の集い「樹陽のたより」例会】
 6月14日(日)午前11時~午後1時、函館地域生活支援センター(駒場町9-24)。ひきこもりを体験者した当事者が体験や悩みを語り合い、今後の進路や社会参加の取り組みなどについて話し合う。参加費無料。(連絡先:野村☎090-6261-6984) 

【道南ひきこもり家族交流会「あさがお」例会】
 6月14日(日)午後2時~4時、函館市総合保健センター(五稜郭町23-1)。ひきこもり当事者や家族が集まり、体験や悩みを語り合い、ひきこもり者への関わり方などを学ぶ。臨床心理士や医療ソーシャルワーカーなどもサポーターとして参加。会員以外は資料代200円。
(連絡先:野村☎090-6261-6984)                     

多様な教育機会確保法案⑤:毎日新聞・解説記事

<解説:学習計画、授業料など課題>
 フリースクールは既存の学校になじめない子どもたちが学ぶ場だ。議員立法での成立を目指す法案は長年、義務教育制度の外に置かれていた「学び舎(や)」を国が正式に認め、支援する内容で、実現すれば画期的な方針転換になる。
 ただ、実現には課題も多い。保護者が作る「個別学習計画」を市町村教委がどのような基準や手続きで認定するのか。学習計画の作成や履行にどこまで市町村教委や学校が関与するのか。
 義務教育は無償だが、フリースクールに通う子どもたちの授業料を国がどこまで負担するのか。
 今後、文部科学省が具体的な制度設計を進めるが、いずれにしても一定の基準が必要になる。
 しかし、フリースクールはその名が示す通り、個々の子どものペースで安心して自由に学べる場だからこそ受け皿になってきた。基準がフリースクールのこうした特性を奪ってしまう可能性もあるため、制度設計には慎重な手続きが必要だ。【三木陽介】

多様な教育機会確保法案④:毎日新聞記事にコメントを掲載いただきました

※毎日新聞5月28日社会面記事の続き
 「登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会」(北海道函館市)代表で社会福祉士の野村俊幸さん(65)は「学校に戻すことを前提とした不登校対策の転換につながると期待したい」と話した。
<札幌の学園長「経済的支援も」>
 不登校の中学生が通うフリースクール「札幌自由が丘学園」(札幌市東区)の杉野建史学園長(45)は「法案が、ここに通う子に胸を張って学ぶ第一歩になることを期待したい」と評価する。
 フリースクールは現在の教育では位置づけが不透明で、保護者らが周囲の理解を得にくいという。
学校に復帰できない児童生徒の学習権を保障するためにも、制度に位置づけられることに期待を寄せる。
 同学園は札幌市の独自制度で年間200万円の助成を受けているが、経営は苦しく授業料や教材費で月3万5000円かかる。杉野学園長は「保護者から問い合わせがあっても、授業料を言うとそれきりになってしまう。経済的支援もお願いしたい」と注文をつけた。【千々部一好】

多様な教育機会確保法案③:不登校対策 転換を期待

【不登校対策 転換に期待 「学校外で義務教育」法案】 5月28日毎日新聞社会面(第25面)
 「不登校の子どもたちが通うフリースクールを義務教育として認めよう」。超党派の議員連盟がまとめた法案が今国会に提出される見通しになった。もっぱら学校に復帰することを求めてきた従来の国の対応からの大きな転換となる。「多様な学びが認められる」と歓迎する声が上がったが、スクールごとの独自性や子どもに合った教育メニューを尊重してほしいという注文も聞かれた。、(三木陽介、高木香奈)
<フリースクール尊重に注文も>
 東京都と千葉県内の3カ所でフリースクールを運営するNPO法人「東京シューレ」理事長の奥地圭子さん(74)はこの日、国会近くで開かれた議員連盟の総会に招かれた。法案の説明を聞き「学校以外での学びをようやく正規に認めてもらえる」と笑みを浮かべた。
 長男がいじめで不登校になったことをきっかけにフリースクールをつくり、今年で30年。これまで1300人以上の子どもの巣立ちを支援してきた。「学校に通えない弱い子だという社会の目があり、フリースクールの子たちは引け目を感じざるを得なかった。(法制化を機に)社会の誤解や偏見がなくなれば」と期待する。
 今後の検討課題となっている家庭への経済的支援も欠かせないと指摘する。公立の小中学校は授業料がかからないが、フリースクールは維持費などで毎月2万5000~4万5000円程度の月謝が必要で、家庭の負担は軽くない。「憲法はすべての子どもの学ぶ権利を保障している。学校以外で学ぶ子が不利益を受けない仕組みを整えて」と訴える。
 教育委員会が認定するとしている「個別学習計画」については、学校のカリキュラムを前提に作ると、さまざまな事情を抱える子どもに対応できないとし「ひとりひとりに寄り添った支援を求めたい」と注文した。

多様な教育機会確保法案②:フリースクールを容認 不登校児の義務教育 法案提出へ

※毎日新聞5月28日第1面続き
 法案は「多様な教育機会確保法(仮称)案」。夜間中学の拡充など、義務教育を受けられなかった人たちへの学習支援を自治体に義務付けることも盛り込む。小中学校以外で学ぶことが必要な人たちが増えているため「多様な学びの機会を確保し国と自治体が支援する」(立法チーム座長の馳浩衆院議員)のが狙いだ。
 13年度の不登校小中学生は約12万人と6年ぶりに増加した。一方、フリースクールは全国に約400あり、約2000人が学んでいるとみられている。NPO法人などが運営しているが、法律上の位置づけや公的支援はない。
 保護者には学齢期(6~15歳)の子どもを小中学校に通わせる義務があるが、不登校の小中学生は13年度に約12万人に達し、6年ぶりに増加した。一方、NPO法人などが運営するフリースクールの多くは、ほとんど通学していなくても校長の裁量でそのまま卒業しているのが実態だ。
 法案は、保護者がフリースクールや自宅で何をどう学ぶかを「個別学習計画」にまとめ、これを市町村教委が認定すれば、子どもを就学させる義務を履行したとみなす。修了すれば小中学校卒業と同程度と認める仕組みを想定している。フリースクールの授業料は月額数万円かかり、経済的理由であきらめる親子も少なくないため、法案は国や自治体に必要な財政措置を求めた。
 法案には、戦中・戦後の混乱で義務教育を受けられなかった高齢者らが学ぶ「夜間中学」への支援も盛り込む。入学希望者がいれば、公立の夜間中学の設置など必要な措置を講じるよう都道府県教委や市町村教委に義務付けるとしている。【三木陽介、高木香奈】

「多様な教育機会確保法案」についての毎日新聞の報道①

  5月28日に報道各支社が超党派フリースクール等議員連盟と夜間中学等義務教育拡充議員連盟が標記法案を提出することについて報じています。中でも毎日新聞が詳しく報じており、フリースクール関係者の声として東京シューレの奥地圭子さんと札幌自由が丘学・杉野学園長とともに、私のコメントも掲載されましたので、紹介いたします。
  この法案については、懸念事項も多々ありますが、「お上が決めた学校」しか子どもが行くことができないため、学校復帰しか道がないようにみんが思い込んでしまい、事態が深刻になると子どもが自ら命を絶ったり、家庭が崩壊するといった理不尽な現状を変える第一歩にしたいものです。

【フリースクールを容認 不登校児の義務教育 法案提出へ】2015年5月28日毎日新聞第1面
 超党派の議員連盟は27日、保護者が作成した学習計画を市町村教委が審査・認定することを条件に、不登校の小中学生が通うフリースクールや家庭での学習を義務教育として認める法案を今国会に提出する方針を決めた。法案は国にフリースクールでの学びに対する財政面の支援も求めている。法案が成立すれば、義務教育の場を小中学校に限定してきた戦後教育の大転換になる。自民党内には慎重論もあり曲折も予想されるが、議連は今国会での成立と、2017年度の制度化を目指す。(社会面に関連記事)

いわき市講演会㊷:

  また、「いじめ」について具体的に分からなくても、お子さんが学校に行き渋ったり、行くのが辛そうであれば、長年不登校の相談に関わってきた経験から、かなりの割合で背景に「いじめ」がある場合が多いですから、「いじめがあるかもしれない」と考えて、予防的に休ませることも考えた方が良いと思います。
 そして学校に対しては、「いじめがあるかどうかはまだ分かりませんが、学校に行くのが辛そうなのでしばらく休ませます。仮にいじめがあったとすれば、うちの子が行かなくなると、別の子がターゲットにされる恐れがありますので、クラスの様子には十分ご注意ください」とお伝えいただきたいのです。
  レジメには北海道新聞の記事のコピーを載せていますが、この「主婦Bさん」が長女です。必死の思い出取材に応じたのだそうですが、この記事が過去のものではなく、今またこのような形で紹介しなければならないことが残念でたまりません。

いわき市講演会㊶:「いじめがあるので休ませます」とハッキリ伝えましょう!

  こんな重大な「いじめ自殺」裁判が、あまり広く知られていないことが不思議なのですが、いじめの研修会などで、このような事例が紹介されておりますでしょうか?
 いずれにいたしましても、自殺に関わる民事訴訟の過失相殺の考え方は、いじめられても本人が学校に通いつづけたり、保護者が通わせ続けようとした場合は、それが過失になる場合があるということを、しっかり押さえておきたいと思います。
 まだまだ世間一般では、「いじめられたら学校を休んで良い」という考え方が浸透してない現状にもかかわらず、このような過失相殺の判断が適用されるというのは腹立たしいことではありますが、しかし、裏を返せば、いじめがあり、あるいはその兆候があった場合は、しっかり学校を休ませるということでわが子を守る必要があることを、これらの判決は教えてくれていると思います。
 そこで、親御さんにお願いがございます。それは、「いじめ」があると分かったら、学校にそのことをきちんと説明し「子どもの安全確保のために欠席させます」ときっぱり伝えてほしいのです。

著書 『カナリアたちの警鐘~不登校・ひきこもり・いじめ・体罰ヘはどにように対処したらよいか』
  文芸社セレクション・文庫版、700円+税 書店注文または送料著者負担により送付可 



いわき市講演会㊵:形だけの仲直りはかえって危険!

 もうひとつご紹介したいのは、知覧町いじめ自殺事件に関する平成14年1月28日の鹿児島地裁判決で、これは、鹿児島県知覧町の中学3年男子生徒が集団暴行などのいじめにより自殺したことに対して、両親が加害者5人と学校設置者の知覧町に損害賠償を求めていた民事訴訟ですが、判決はいじめの事実を全面的に認め、5人の元生徒と知覧町に損害賠償の支払いを命じました。
 これも民事訴訟ですので過失相殺の判断が示されたわけですが、その中で裁判官は、原告両親が、自殺の前日に子どもから被告生徒らに暴行を受けていることを聞いていたけれども、加害者とその両親が原告宅を訪問し、形ばかりの仲直りをさせたことで解決したと考え、自殺の朝にも学校に行くように説得したことなどを「原告両親の過失」と認定し、損害賠償額から4割を過失相殺で減額したというものです。
 私が先ほど、「仲直りさせる、加害者に謝罪させることで解決を図る」という意見について、「仲直り」とか「謝罪」が表面的なものに終わると事態はもっと深刻になると申し上げたのはこのことです。「謝って仲直りしたのに、それでも学校に行かない」ということになれば、今度は被害者のわがままという話になって、ますます学校を休むことができなくなり、小川中学事件の判決でも指摘していますが、まさに逃げ道を塞いでしまうことになります。
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