ひきこもり体験者のつどい「樹陽のたより」例会より

 ひきこもり体験者のつどい「樹陽のたより」例会は、4月10日、5月8日、6月12日はともに8名の参加でした。
 各人それぞれに好調・不調の波があるのは自然なことなので、このような会で語り合うことで、自分の状況を振り返る機会となり、よりよい対処方法を考える手掛かりを得ることもできます。
 また、十数年就労できなかった方がサポステに参加して「大人のインターシップ」という職場体験をくぐり、インターシップ先の職場に気にいられてそこに就職できたという体験なども報告され、お互いを支え合う場にもなっています。
 前回のブログでも述べましたが、体験者のお話に共通して言えるのは、ひきこもりから動き出すことができたのは、ひきこもっている自分の状態を否定されず、自分自身もそれを受け入れるという相互関係が、何らかの形で周囲と形成され、それを実感できたことが大きな要因としてあります。
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相模原の障害者施設襲撃を考える

相模原の障害者施設襲撃事件、「衝撃的」ではあまりに月並みな表現で、言葉が出てきませんが、容疑者の特異性で片づけではならないと思います。
 「役に立たないものは排除してよい」、そんな意識がじわりと社会の底流に広がっているのではないでしょうか…。社会評論家・芹沢俊介さんの言葉を借りれば、「Doing:する自己」が優先され「Being:ある自己」がないがしろにされると、こんな歪んだ意識が暴発するかもしれません。
 話が飛躍するかもしれませんが、不登校・ひきこもりのサポートに関わっていますと、当事者の皆さんは常に「何かをする」ことを求められ「今ある自分」を肯定されず苦しんでいます。
 周囲はどうしても、不登校やひきこもりから動きだしたことに注目しがちです(もちろん、そのような様々な体験は貴重で重要なものですが)。でも、その背景には「しっかり不登校する、ひきこもる」という体験があってこそ、次の歩みにつながっていることを、家族も先生方も支援者の皆さんにも、そして社会全体にも、理解いただきたいと願っています。

「あさがお」5月・6月例会より

  5月8日例会は、五稜郭公園の桜も散った後で、おかげで駐車場の心配はありませんでした(^_^;)
今回も22名と参加者が多数のため、「初参加や最近参加しはじめた方」と「長期間参加している方」の2グループに分かれましたが、それでもたくさんの話題で時間が足りませんでした。
  前者では、勤務先の倒産やパワハラ、就活での辛い体験などがひきこもりの引き金になり、精神科
受診を必要としている方も多いので、単に個人の問題では片づけられず、社会的背景も考えて対処していく必要性を強く感じる話し合いとなりました。
  6月12日例会は15名の参加で、今回も三上先生が参加してくださいましたので、精神科を受診していたり、精神疾患かもしれないと不安な場合の対処の仕方などについて、全体で話し合いました。

「不登校・ひきこもり~親が越える5つの関門」講演抄録の紹介

「不登校新聞」(Fonte改題)7月15日号に、5月29日に浦安市で開催された 「不登校を語るつどいBaobab」で講演させていただきました表題の講演抄録が掲載されましたので、ご希望の方にpdfファイルでお送りします(A4版2枚)。
(5つの関門)
第1:受容の入り口に立つこと
第2:焦る気持ちを抑えること
第3:心のざわつきをコントロールすること
第4:子どもの進む道は一人ひとりちがうことを受け入れること 
第5:子どもの人生は子どものものと腹を括ること

「あさがお」例会より③:訪問看護や保健師さんの来訪など外とのつながりも効果的


  また、病院にかかっている場合にはドクターの診察以外に訪問看護を受けて、症状によってはその回数を増やすこともできるし、親の相談にものってもらえるとのことです。病院にかかっていない場合には、保健所で相談して保健師さんに来ていただくこともできます。
  人が来ること自体が嫌であったり、人と会うことに対しても今拒否的であると、どう社会とつなげるかがやはり難しいところで、親としての共通した悩みでもあります。
  今回参加した当事者の方からは、ドクターとの診察以外に訪問看護を受けるようになって、自分の今の思いを語ることが出来る機会ができて非常に良かったとのことです。
  また、包丁などの持ち出しなど危ないと思われる行動についても、自分で抑えきれなくなった思いが大きくて、ふと気づくと社会で許されないような行動をとってしまうこともあると思うとのこと。それほどにため込んでいる思いが辛く苦しいため、限界に達したような状況で危険な行動に出てしまうこともあると思うとのことでした。そして、その状況が頂点に達した段階で、何かつきものが落ちたようにスッキリして吐き出した思いがしたとの経験談も出ました。
  親が病気に違いないと思い込むほどの反社会的な行動も、子どもの苦しさの発露である可能性もあるのだと考えさせられる話し合いとなりました。

「あさがお」例会より②:親への「八つ当たり」をどのように受けとめたらよいか

  これに対して、三上先生から参加者お一人お一人に対してのコメントがありました。三上先生に聞いていただくと思うと常日頃抑えている思いや我慢している不安が流れ出てきて、抑えきれずに涙ぐむ姿もあって、本当に一生懸命に自分を抑えてお子さんと向き合っている親の姿に心揺さぶられました。三上先生への信頼の厚さを感じる場面でした。
  いくつかご紹介すると、親に対して攻撃的になってきたという場合には、それまで誰に対しても鬱積する不満や苛立ちを外に出せなかった人が、ようやく親にだけは八つ当たりできるようになってきたと受け取れる場合もあるとのこと。病気でない人の多くは八つ当たりの対象は父親とか母親に対してが圧倒的に多いようです。それが外に敵ができてくるとかなり心配ではらはらする場面もありますが、それがきっかけで医療機関などにつながるケースもあるとのことです。
  統合失調症であれば、その頭の働きにも特徴的な様相が見られてくるし、かなりの無気力なども見られてくるけれど、10年に渡ってひきこもっている場合でもその頭の働きや様子が変わらない場合は病気ではないと思われるとのご意見をいただきました。

道南ひきこもり家族交流会「あさがお」例会より①:精神疾患をめぐる不安

  4月10日は総会を兼ねた例会で26名の方が参加されました。今回は顧問で精神科医の三上昭廣先生(函館渡辺病院理事長)も参加してくださいましたので、精神疾患について相談したい方と現状を話し合う方の2グループに分かれて話し合いましたが、参加者が多いこともあり、どちらのグループも結構な人数となり、充分思いを語れなかった参加者もいたかもしれませんのでご容赦ください。
「精神疾患ではないか」と家族が切羽詰まる状況も
 精神疾患と関連した質問では、「頑張りがきかないように見える子ども自身の性質」、「長いひきこもり状態から次第に意欲をなくして生活することさえ大変になってきている状況」、「一人にしておけないほど心配される心身の状況」、「病院や薬に対する拒否」、「幻聴と思える症状」、「外と隔絶した状況の長期化」、「親への批判や支配に近い暴言や恐怖を感じるほどの威嚇的行動」、「不安感の増大と思える奇異に見えるような言動」、「本人からの何かをしようとする意思を全く感じない」などなどのかなり切羽詰って見える状況が語られました。
  長期化するひきこもり状況の中で、お子さんが悪化しているのではないかと思える変化があったり、受け止め難い行動の激化があると、親としてもそれが正常範囲なのか?もしかして精神疾患によるのではと心配になります。

函館市家庭教育セミナーのご案内

函館市教育委員会では、今年度も添付の下記講師陣により「家庭教育セミナー」事業を実施しますので、関心をお持ちの方々にお知らせいただければ幸いです。
(1)事業の概要
 セミナーの開催を希望する函館市内の保育園・幼稚園・小中高校やPTA,地域の団体に 登録講師を派遣し、講師謝金は市教 委生涯学習文化課が負担する。
(2)講師一覧
 □加茂章子:NPO法人ウィメンズネット函館・子どもサポートふわっと 【DVと子どもへの影響】
 □小葉松洋子:湯の川女性クリニック院長 【健康教育~医療全般、喫煙防止、薬物防止、性教育】
 □齋藤敏子:日本カウンセリング学会認定カウンセラー 【人間関係力の育成、保護者・学校としての子どもへの関わり方】
 □諏訪麻依子:北海道大学函館キャンパス学生相談室カウンセラー 【発達心理・カウンセリング】
 □高柳滋治:はるこどもクリニック院長 【健康小児学、小児心身症、子育て支援、アドラー心理学】
 □野村俊幸:北海道教育大学・函館臨床福祉専門学校非常勤講師【不登校・ひきこもり・イジメ】
 □藤井壽夫:函館短期大学教授 【ネット依存防止教育、小中学校時代の心身の健全な発達】
 □保坂静子:函館短期大学非常勤講師 【食育・食全般】
 □本田真大:北海道教育大学函館校准教授 【子ども(乳幼児~高校生)と親の心理学・カウンセリング】
(3)連絡先
 函館市教委生涯学習文化課(岸本)
  電話:0138-21-3459 FAX:22-7217 メール:kishimoto.j@city.hakodate.hokkaido.jp

不登校・ひきこもり体験者のお話を聞く会⑦:みんあはちがってみんないい!

  次男も学校に行きたくないと休んだ時に、彼の本当の心に時間をかけて聴いていたら、不登校にならずに済んだかもと反省しています。多分、彼はイジメ・ひやかしをきかっけに、づうっと良い子で頑張って来て疲れ切った身体と心を少し休めたかったのだと思います。それを私は、焦り・慌てて大きくしてしまったのだと様に思います。何事も焦らず・ゆっくりと子どもの心の声を聴く事が大切だったと、この振り返りであらためて気づかされました。みんなちがってみんないい・我が子は我が子!

【コメント】 以上で連載を終わりますが、辛い体験を思い出して涙で言葉がつまった発表者もいました。頑張って発表いただいた皆さんに心から感謝申し上げます。参加舎一同、大きな感動につつまれ、いろんな手がかりを持ち帰ることができたと思います。
  「みんなちいがってみんないい」のに、「みんなこうしているから」という「社会常識」から自分自身を、わが子を縛ってしまいがちな「親心」を、あらためて見直す、とても貴重な機会になりました。

不登校・ひきこもり体験者・家族のお話を聞く会⑥:事を急ぎすぎたかも…

【トリは、お子さんの不登校を体験した運営委員のTさんの含蓄深いお話です!(^^)!】
  今回の拡大例会で体験談を話して欲しいとの依頼が有った時、余りにも色々な事が有り過て上手く話せる自信が有りませんでした。そこで、私の対応について振り返ってみました。
  私は、幼い頃に両親を亡くし里親に育てられました。其の為に血の繋がった本当の家族と言う環境や本当の親の愛情がどんなものかと言う事の自信が有りませんでした。いつも周りの目や評価を気にしていた様に思います。ですから本当に子どもが望んでいたのか、喜んでいたのか子どもの心の声に時間と目と私自身の心を傾けて聴かずに、ただ質問的に聞いて、事を急ぎ過ぎていた様な気がします。
  結果、活き活き・伸び伸びと自己選択の出来る子から親の顔色・気持ちを尊重するコンパクトな子どもに育った様に思います。高校進学の時も将来の進路をよく話し合い、子どもの真の心に耳を傾け思いを引き出していたら別の選択肢が有ったかも・・・。

不登校・ひきこもり体験者・家族のお話を聞く会⑤:親が先回りしないでくれたことがありがたかった!

  やがてご本人は「バイトをしたい」と言うようになりましたが、お母さんは「いきなり仕事というのは負担が大きすぎるのではないか」と考えました。そこで、若者サポートステーションの利用者が人との関わりやボランティア、職場体験などを通して自信をつけていったことを見聞きしていたので、サポステの利用をすすめました。ご本人はサポスに通い始め、いろいろなプログラムに参加してだんだん行動範囲も広がり、現在はスーパーでアルバイトを続けています。
  ご本人は最後に、「サポステに通い始めてからも、先回りしないで、親が何も言わずに見守ってくれたこと」がありがたかったとのことです。そして、「学校に進む順番も一本道ではなく、いろいろな経験をしてから学び直してもいいはずなので、<当たり前のルート>にこだわらないでほしい」とお話され、参加者一同とても感動しました。

不登校・ひきこもり体験者・家族のお話を聞く会④:5年間家から出られない生活の後に

【3番目は長い不登校・ひきこもりを体験したKさん(21歳女性)とそのお母さんのお話を、ご本人の了解を得て以下のとおりまとめましたので、ご紹介します】
  Kさんは中学校で不登校になりました。校長先生は「教室に入らなくても良いから」と、本人の希望に添って個別に勉強を教えるなど協力してくださり、高校に入学しましたが、入学式を終えて間もなく行けなくなりました。そこまででエネルギーを使い果たしたようで、以降5年ほど家から出られなくなりました。家どころかベランダに出ることもできない時期もあり、お母さんと取っ組み合いの喧嘩になったこともあったそうです。
  しかし、お母さんもアカシヤ会に参加したり、いろいろ勉強を重ねました。先回りは本人がエネルギーを溜めるのを邪魔するだけということに気がつき、まずは家で安心して生活できるようお嬢さんへの関わり方を変えていくよう努力しました。
  すると、Kさんも外とのつながりを求める気持がだんだん膨らんできて、あるアイドルグループのコンサートにどうしても行きたいと思うようになりましたが外出できません。やがて、往診してくれるメンタルクリニックがあることを例会で知り、そのお医者さんに自宅で診察してもらい、「社会不安障害」という診断で治療を受けることになりました。親子関係も安定した状態が続き、お母さんと一緒に札幌で開催されたそのグループのコンサートに出かけることができました。

不登校・ひきこもり体験者と家族のお話を聞く会③:「3D」を言わないで

【続いて、小学・中学と長く不登校を体験したMさん(20代前半女性)のレポートです】
  学校に行かない(行けない)=ダメな子。一般的によく言われる言葉です。でも『行かない』というたった4文字の中にどれだけの思いが含まれているのかを一緒に感じ取り、共有してもらいたいです。本人しかわからない事だから親や先生、第三者にはわからないと突き放さないで下さい。
  本人でもわからない事が沢山あります。自分で自分がわからない事がどれだけ不安な事か…だからこそいつでも手を差し伸べられる様に子どもの姿をいい距離感で見守っていて欲しいです。
  親もこの状態がいつまで続くの?と不安だと思います。見なくていいものまで見え、何かに当たってしまいたくなる事もあると思います。しかし、子どもにとって頼れる人・拠り所は親です。
  だからこそ3D(でも、だって、どうせ)を使わずに一度全て受け入れ、こんな事と思う様な小さな事にも耳を傾けて欲しいです。それがその時、子どもが親に伝えられる精一杯のSOSだと思います。最後に、今回この様な機会を頂きひとつ殻を破り、一歩前進する事ができました。ありがとうございました。
 
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野村俊幸

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