ひきこもり対談⑮:オルタナティブな生き方としてのひきこもり

杉本 だからその、オルタナティブスクールがあるように、オルタナティブな生き方というものがあればいいんですが。これはねぇ。本当に世界のどこを見渡してもなかなか大変なことですよねえ、これを社会の側として考えるべき問題として捉えれば大変だな、という。
 まあ、個人としてどう受け止めるかという問題はこれはまた別。別件としてはあるんですけど。社会側として見た時には本当、ひきこもったあとにどういう風にまた改めて社会にこう、主体的に参加できるかという方法論が見当たらないし、まあ社会の側も了解できない。ひきこもりは。

野村 私は「社会が了解できない」ということが大きいと思うんですよね。

杉本 そうですね。親御さんだって了解できないわけですからね。ええ。

野村 そう。親御さんだってね。

杉本 ええ。正直。僕の親だってまずわからなかったですよ。

野村 とっても極端な話ですが、例えばひきこもって、まあ働いてもいない。それから積極的な社会参加もしていない。だけども家庭の中では本人の状態について親も理解し、まあ「仕方ない」ということでもいいですから家族が理解してあげて、本人もそれで安心して家庭生活が円滑に済んでいる。そうなると当然親子関係も良いですから、例えば家の中の手伝いのようなことをしたり、普通にコミュニケーションをとっておだやかな家庭生活が出来たとします。ほとんどは難しいけど、そういう風に親も気持ちを切り替えて本人も納得して無理に外に出るということをしないとします。

杉本 はい。

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八雲町も懇談会&相談会のお知らせ

 体調不良の中で事業が続き、更新が滞ってしまい、お詫び申し上げます。取り急ぎ、北海道約兆で開催される事業のお知らせです。八雲町では「子ども・若者育成支援推進法」にもとづく、ひきこもりや不登校に関するサポート活動に取り組んで理織、同法があまり浸透していない中で、とても心強いかぎりです。
【平成28年度 不登校・ひきこもりに関わる 家族、支援者の懇談会&相談会】
□日時 平成28年11月11日(金)
懇談会:午後1時30分~3時15分
相談会:午後3時30分~4時30分
□場所 八雲町公民館第1・第2集会室
□アドバイザー 野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)
□主催 八雲町子育て支援センター(申し込みは11月7日まで)
      八雲町相生町29-9 電話0137-62-2573 

ひきこもり対談⑬:「ひきこもりの解決=就労」か?

野村 だからひきこもり問題が起こる背景というのはもちろん学校制度の問題もあるけども、もっといろんな分野、雇用問題だとか、あるいは家族状況が変わってきているとか。他のいろんな問題が絡んできてますよね。だから正直言って解決は何か?というと「これ」という風に一本でスパッといえない。やっぱり悩みもね。様ざまだし。出口が見えないという感覚になっちゃうんですよね。

吉田 そうですね。何かここら辺の時代の変化については、ひきこもる青年たちの個性とか性格の傾向というのも時代と共に変わってくるでしょうし。彼らに何が必要なのかというのを考えていくと、最終的には「彼ら個々人に必要ななにか」ということにたどり着くのかもしれないですね。大変乱暴な言い方ですけども。ということをここ数ヶ月杉本さんと過ごしながら思いました。

野村 ところが、「働いていない」とか見えやすい部分からだけ見て、「それがひきこもりだ」と考えるから、ひきこもりの解決は就労だ、というように、出口もまたひとつになっちゃう。勿論働いて自分で食えるには越したことがないけれども。

杉本 若者サポート・ステーションに対する国の発想なんかはまさにそうですね。

野村 そうです。それが果たして本当か。それで解決する人もいるだろうが、そうでない解決もあるのではないか?という。


不登校に関する文科省の重要な通知

文部科学科省が平成28年9月14日付で、次のような重要な通知を出しています。
「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知) 28文科初第770号
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1375981.htm

その中で下記のような指摘があり、「学校復帰」の大枠は変わりませんので過大な期待は禁物ですが、きちんと学校現場に浸透すれば、具体的な対応に変化が生まれる可能性もあると思います。

『不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり, その行為を「問題行動」と判断してはならない。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し, 学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を持つことが, 児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要 であり,周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が
 社会性や人間性の伸長につながり,結果として児童生徒の社会的自立につながることが期待される。』

『児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持ち事がある…』

『それぞれの可能性を伸ばせるよう、本人の意思を尊重した上で、場合によっては、教育支援センターや 不登校特例校、ICTを活用した学習支援、フリースクール、夜間中学等を活用し社会的自立への支援を行いこと』

福井「不登校・ひきこもり」講演とフォーラムのお知らせ

【登校拒否・ひきこもりとは何か そこからどのように立ち上がるか】
   講演とフォーラムの集い
□主 催 福井登校拒否を考える会・やよい会(親の会)
 (連絡先)やよい会世話人代表 中嶋良三(TEL 0776-35-1645)
□日 時 2016年10月23日(日)午後1時30分~5時
□場 所 福井県教育センター4階(NHK福井放送局 斜め前)
□参加費 500円(申し込み不要)
□日 程 受付 1時~
・講演(1時30分~3時10分)
①講師 丸山康彦(ひきこもりの経験者)
演題 「不登校・ひきこもりの本人が越える3つの関門」
~経験者と相談員の立場から~
②講師 野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)
演題 「不登校・ひきこもりの家族が超える5つの関門」
~親とソーシャルワーカーの立場から~
 ・フォーラム(3時20分~4時10分)
丸山康彦 野村俊幸  大塚真哉  中島良三
 ・質疑応答(4時10分~5時)
※講師紹介
  丸山康彦氏 神奈川県藤沢市  「ヒューマンスタジオ経営者」
           著書「登校拒否・ひきこもりが終わるとき」
           高校時代から足かけ3年半不登校に、大学卒業1年後
           から足かけ7年ひきこもりに。
  野村俊幸氏 北海道函館市 「北海道教育大学非常勤講師」     
           著書「カナリアたちの警鐘~不登校・ひきこもり・いじめ・
               体罰へはどのように対処したらよいか」
           不登校の子を持つ父としての経験を語るとともに
           自身の経験を社会福祉の視点から読み解く。

ひきこもり対談⑬:不登校は教育制度の問題

野村 だから仰るとおり、不登校問題は制度問題なんです。学校以外でも育つことが出来るんだと。それをキチンと認めていこうという風に制度を変えれば不登校はなくなりますよ。

杉本 ええ、ええ。そうですね。

野村 だから不登校が問題じゃなくて「学校に行かない」というただそれだけのことで、その子の人生なりその子の家庭がめちゃくちゃになってしまうような仕組みのほうが問題なんですよ。というのが私の意見なんです。

杉本 だからそういう義務教育を与える所は決まっていて、フリースクールとか、オルタナティブスクールとか、ホームエデュケーションとかいうのは教育機関の中には含まれない。するとやっぱり義務教育機関としては子どもを何とかして囲い込みたいと(笑)。国もそれが正しいと思っているから不登校の生徒が増えるのは問題だから学校のほうに圧力がかかってくるという。まあ、何か勘違いによる悪循環ということになりそうですよね。

野村 とても乱暴な言い方ですけれども、社会の変化に教育制度がついていってないんですよ。

杉本 そうそう。まさにそうなんですね。いろんな生き方があるにもかかわらず、義務教育を終えて進学して大学行って、きちんと就職してということをいまだにみんな想定してるんでしょうね。だけどいま大学にきちんと行って真面目にやって、大学卒業してその途端にひきこもってしまうという。こちらのほうが結構リアリティのある話かもしれないですよねえ。

ひきこもり対談⑫:学校は不登校をなぜ「嫌がるのか?

野村 それからもうひとつ学校にとっても賢明なのは、学校の立場からは「無理に来なくてもいい」とは言いにくいんですよ。

吉田 ああ~(笑)。そうですね。

野村 親にしてみると見捨てられたみたいな感じになるし、学校が責任放棄しているみたいな感じで学校に批判が向く場合があるんです。ですから「無理して来なくてもいい」というのは正しいアドバイスなんだけど、当事者の学校からするとそれはなかなか言いにくいことなんです。だから私はスクールソーシャルワーカーとか、私どものような第三者のところに話をつないで、そこから親にアドバイスしてもらうと上手く行くと思うんですよね。

杉本 なるほどね。うん。

野村 これは話が先に進んじゃうけれども、学校完結で全ての問題解決しようとすること自体に無理がある。

吉田 うん。そうですね。学校には「学校に来てもらう」というミッションが存在して、それを遂行する組織という側面があって、片や親側にもなにか固定観念のようなものがあると。何でしょうね。「来なくていいよ」っていわれるとあたかも親が学校に捨てられたように感じてしまいますね、それは。

野村 それと学校はとても責任感が強い方々が多い所ですから。そして”教えること”が仕事ですから、だから学校で教えられずに子どもがちゃんと成長したら、「学校」というものの存在意味がなくなるわけです。

杉本・吉田 (笑)。

野村 だって学校は、言ってみれば自分の存在根拠を否定されてるわけですから、本能的にね、不登校を嫌うんだと思います。

杉本 ああ~。その事情、良く分かります。

ひきこもり対談⑩:学校の柔軟な対応で良い結果に

吉田 しかし親御さんとしては”Doing”(する自己)じゃなきゃだめなんですね。

野村 そう、”Doing”(する自己)なんです。芹沢俊介さんは『”Being”(ある自己)がしっかり保障されないと”Doing”(する自己)に向かうことはできない』とお話していますが、全くそのとおりだと思います。ところが、常にDoingで子どもを見ちゃう。ただ。きちんとこういう問題を理解している学校も出てきています。親の会では学校の登校刺激や学校の理解の無い対応で責められる親御さんってやっぱりとても多いんですよ。ところがこの前、数少ない例ですけれども、学校がそこのところをきちんと理解して、不登校が始まった早い段階でこちらの方へつないでくれた学校もあるんですよ。

吉田 ほお~。

野村 つい先日そのような相談があって、学校から「お子さんが行けなくなって親御さんがとてもいま不安で、それが子どもに非常にマイナスの影響を与えているので、親御さんに対するサポートみたいなことをしてもらえませんか」、という連絡がありました。いま親御さんに連絡とっていて、少しずつ親御さんも落ち着いてきています。

吉田 非常に柔軟性のある対応の学校ですね。

ひきこもり対談⑩:DoingよりもBeingを!

吉田 しかし親御さんとしては”Doing”(する自己)じゃなきゃだめなんですね。

野村 そう、”Doing”(する自己)なんです。芹沢俊介さんは『”Being”(ある自己)がしっかり保障されないと”Doing”(する自己)に向かうことはできない』とお話していますが、全くそのとおりだと思います。ところが、常にDoingで子どもを見ちゃう。ただ。きちんとこういう問題を理解している学校も出てきています。親の会では学校の登校刺激や学校の理解の無い対応で責められる親御さんってやっぱりとても多いんですよ。ところがこの前、数少ない例ですけれども、学校がそこのところをきちんと理解して、不登校が始まった早い段階でこちらの方へつないでくれた学校もあるんですよ。

吉田 ほお~。

野村 つい先日そのような相談があって、学校から「お子さんが行けなくなって親御さんがとてもいま不安で、それが子どもに非常にマイナスの影響を与えているので、親御さんに対するサポートみたいなことをしてもらえませんか」、という連絡がありました。いま親御さんに連絡とっていて、少しずつ親御さんも落ち着いてきています。

吉田 非常に柔軟性のある対応の学校ですね。


ひきこもり対談⑨:家にいることの大切さ

吉田 そうですねえ。あの、野村さんの二人目のお嬢さんが中学校はほとんど不登校で、高校はジャズダンスというやりたいことがあったからこそ、アルバイトをするための資格を得る手段として高校に通っていたように思えました。その結果、ある意味、ジャズダンスで自己実現できたのかな、という印象なんですよね。

野村 そうですね。次女の話が出ましたけど、ジャズダンスに行ったというのも、次女は小学校四年から不登校でその間しっかり家で休んでいるんですよね。だからジャズダンスを見つけて元気になって行ったんじゃなくて、不登校してエネルギーが溜まってきたので、ジャズダンスもやれたと思います。ところが親の会なんかで話しても親は常に何か「やらせたい」という気持ちが出てくるんですよ。

吉田 ああ~(笑)。

野村 何かやってると親は安心するんですよ。家にいると心配なんですよ。でも家にいるのは何かやるためのエネルギーを溜め込んでいる絶対に必要な時間なんだということです。

ひきこもり対談⑧:ひきももりと不登校の違い・その3

野村 ひきこもりが難しいのはそこなんです。そこが難しいんです。「いつまで休めばいいの?」と常に親から出てくるわけですよ。不登校の場合はとにかく縛りのきつい中学校などを何とかしのげば、あとはいろんな可能性があるという風にね。実際いま高校というのはいろいろなルートがありますから。
 中学までは「行かなくてはならないところ」って親も子も思い込んでますよね。まあ、完全に義務教育に対する誤解なんですけどね。

杉本 ええ。

野村 行かなくてはならないところ、っていう風な目で見る義務教育の学校に対し、高校以降は「何かするために」行くところですから。その心理的な本人に対するプレッシャーの要因というのは、もちろん高校にしても中退とかはとても大変なことだし、高校に行かないというのもとても大変なことなんだけれども、行かなくなった次の進路を考える道がいろいろ出来てきているということも大きいと思いますよ。

ひきこもり対談⑦:ひきこもりと不登校の違い・その2

(体調不良等で掲載を中断していましたが。回復しましたので再開します)

野村 まあ、非常に比喩的な言い方をすると、「行かない」「しない」という選択肢でかなりの部分解決するのが不登校だとすればですね、ひきこもりの場合は常に「何かやらなければならない」という解決を求められるのがあるわけです。

杉本 う~ん。つまりある意味では不登校の子の場合は親御さんが変わればだいぶ元気になる。ひきこもりは僕もずいぶん乱暴なことを言いますけど、親御さんが一生懸命勉強して、知識を得てもそう動きがない可能性もあるから、親御さんもなかなか徒労感が大きい、支援者の人も徒労感がある、というようなものかもしれませんね。

野村 ですからひきこもりが長期化して、膠着状態にある親御さんもこの会にたくさん参加されていて、もう決して無理強いしても上手く行かないし、そもそも無理強いして何かさせれるものじゃないということは頭では分かっているわけですよ。頭で分かっているけども「でも、ずっとこのままでいいんだろうか?」ということが繰り返し繰り返し出てくるので、もう不安感から逃れられないんですよね。でも不登校の場合には言ってみれば期間限定ですから。小学校の場合、意外と親御さんは時間的にまだ余裕があるので受け入れやすいんですよ。「じゃ、ちょっとゆっくり考えてみようか」みたいな感じで。こういう会に来ていろんな話を聴くと「あ、そうなんだ」という風に。ところが中学生でしかも二年、三年と受験が前にぶら下がるとね。やっぱりそうはなかなか行かないんです。そこをクリアして、中学校を卒業して自由な身になれば楽になるんだみたいな風に思えればね。結構元気になりますよ。

吉田 なかなか、ひきこもりだとしっかり休んでその次にスッとすんなりと行けるというようにならないところに固有の難しさがあると思います。
プロフィール

野村俊幸

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