道南ひきこもり家族交流会1・2月例会より③:「甘え」の大切さ

【「甘え」は大切な関係性を育む】
  これだけエネルギーを使って向き合ってきているのに親の心を突き刺すような言葉や態度が返ってくると、親の思いが伝わっていないようで大きな空しさや悲しみが襲ってきて、どう対応したら良いのかわからなくなると思います。
  お話を伺っていてふと脳裏に浮かんできたのが、精神分析家・土居健郎さんの名著『甘えの構造』の「甘え理論」でした。英語にはない「甘え」という言葉が、心理学のなかでも「Amae」として世界的に通用するようになったことでも有名なのですが、幼い子どもが自分と母親が分離した別々の存在であると気づきながら、どこかでつながっているという感覚(幻想)をもつことが大切であり、この感覚こそが「甘え」なのだと表現しています。
  甘えが成立していると、母親と一心同体でないと知りつつ「どこかでわかってもらえる、つながっている」という感覚を持つことができ、孤立無援の恐怖や見捨てられる不安におびやかされずにいられる(自分は特別な存在である)という感覚でもあります。
この「甘え」は成人してからのちも常に人の心に存在しています。本来非言語的なものなので、いちいち言葉にしなければならないような相手には甘えられないのであり、それは情けなく腹立たしいことになります。素直に甘えられないとき、甘えは「すねる」「ひがむ」「恨む」といった態度にあらわれ、ふてくされたり、やけくそになったりします。
  自分の甘えのあてが外れて、自分が不当に扱われたと曲解するのが「ひがみ」であり、自分から素直に甘えることをせず、相手にあえて背を向けるような態度をとるのが「ひねくれ」であり、いずれもそこには相手に気づいてほしいという甘えがひそんでいると土居先生はおっしゃいます。「恨む」のは甘えが拒絶されたとして相手に敵意を向け、からみつくようなところがあるとのこと。これら屈折した甘えには、相手に対してネガティブな態度をとりながら、その陰に察してほしい気持ち(甘え)が透けて見えるところあるのが特徴とのこと。今見える子どもさんからの言動の陰には、やはりわかってほしいという思いがあるのだと思われます。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

野村俊幸

Author:野村俊幸
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR