関連書籍紹介③

『不登校という生き方~教育の多様性と子どもの権利』 
     著者:奥地圭子  発行:NHKブックス  価格:920円+税 
 不登校理解の決定版とも言える一冊です。奥地さんは、学校の教師の教師をされているとき、3人のお子さんが不登校になります。「教師失格ではないか」と悩んだり、子どもを無理矢理学校に戻そうとして追いつめてしまうとう苦い体験を通して、子どもの不登校を受けとめるようになり、今の学校という枠組み以外にも、子どもが成長する場が必要ではないかということで、子どもたちと一緒に居場所づくりをはじめます。それが、最近あちこちで取り組みが進められているフリースクールやフリースペースの先駆けとなった東京シューレです。日本における不登校相談・支援活動のパイオニアであり、第一人者です。ご自身の具体的体験にふまえ、不登校の歴史や社会的背景、現在の学校教育システムが抱える問題、そして「不登校という生き方」が切りひらく新たな可能性を論証しています。

『いま、「学校」から子どもを守るために親ができること』  著者:戸田忠雄 発行:講談社    
                             価格:15000円+税   
 私は、不登校について語るとき「学校悪者論」に陥らないよう心がけているつもりですが、不登校がこれだけ増え続けてきた背景に、現在の学校教育システムの「制度疲労」があることは確かだと思い、その旨を拙書でもふれたました。これは「犯人捜し」ということではなく、教育改革を考える手がかりにしてほしいということで書いたもので、現在の学校教育の現状や制度が抱える問題を検討することは大切だと思います。
 本書は、題名がいささかカゲキなので紹介をためらったのですが、内容はとても示唆に富むものです。何よりも、著者は長野県で私立・公立高校の教師と学校長を長年務めた方で、学校現場の実践をふまえ、しかも「本書は徹底して子どもと親の立場と利害に立っております」と明言し、「学校内、教室内には先生と子どもしかいないのですから、学校や学級が崩壊しているとすれば、子どもだけではなく先生にも責任があることはいうまでもありません。しかも、学校や教室の秩序を管理しているのは大人の先生たちですから、教師の側の責任が大きいと考えるのが普通ではないでしょうか」と述べています。しかし同時に「学校をよくするのも悪くするのもみなさんしだいなのです。けっして《お上》の教育改革ではありません」と述べ、親が子どもを学校に「丸投げ」しないよう戒めています。本書が単なる学校批判に終わらない所以です。

 『学校を捨ててみよう!~子どもの脳は疲れはてている』
        著者:三池輝久 発行:講談社+α新書     価格:880円+税   
 これも題名はカゲキですが、学校が抱える課題を直視しています。著者は小児精神神経疾患などを専門とする熊本大学医学部教授で、『不登校は「心理的な問題」ではなく、中枢神経機能障害、ホルモン分泌機能障害、免疫機能障害の三大障害を伴うもの』と言いますので、読むのも気が重くなるのですが、それ故「無理に学校に行くことで精神を崩壊させてしまう危険があると」という指摘はとても重要だと思います。そして、本書は医学的な対処方法を述べるにとどまらず、こどもたちをそのような状態に追い込んでいる、現代日本の学校教育のあり方に鋭く切り込んでいるところが圧巻です。『若者の問題は、現在の日本の大人たちがつくりあげてきた「ほとんど人生で役に立たない知識詰め込み能力を育てる」「社会性と称して皆に強調するために自己抑制を強いる」学校教育に大きな責任がある』といった指摘は傾聴に値するのではないでしょうか。

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