わが子が不登校で教えてくれたこと~体験レポート⑦

 前回の最後に、私は「子どもの辛い状態を批判や注釈を加えないで、まずそのまま丸ごと受けとめることから出発することが大切です」と申し上げましたが、そこで「クライエントを自分の価値観に基づいて非難しない」という原則5が重要になります。しかし、現実には往々にしてその逆のことをやってしまいがちです。例えば、親も先生方も「原因探し」に走ることが多いのではないでしょうか。
 もちろん、冷静にじっくりと原因を考えることは大切で、いじめや体罰を受けて、恐怖のために学校に行けなくなる例が実に多いです。その場合はしっかり子どもの人権を守り、子どもの安全・安心を確保するためにも、そのような危険な場所に子どもを通わせないという毅然とした態度も必要になるでしょう。
 また、勉強が分からなくなったり、友だち関係がうまくいかないことがきっかけになることもあります。その背景に学習障害や発達障害のような、何らかのハンディがあること場合もありますから、それぞれの事情をきちんと理解し、学習や生活面についてそのお子さんにできるだけあった個別の支援を考えたりする必要があります。
 最近は子どものうつ病が増えていることに警鐘を鳴らす児童精神科医もいますので、場合によっては適切な治療が必要になる場合もあるでしょうが、その場合はくれぐれも児童精神科領域に詳しい、お子さんのことをよく理解している精神科や小児科のお医者さんを選んでほしいと思います。
 いずれにしても、不登校の大半はいろいろな要因やきっかけが重なり合って生じますので、原因は特定できない場合が多いのですが、ふだん私たちは相手が自分にとって良いことをしてくれる場合、しつこく理由を尋ねるでしょうか? 子どもが100点を取ったときに「どうして、どうして」と詮索する親はあまりいないと思います。
 焦って原因探しに走るのは、今起きていることを自分にとって「良くないこと」「困ったこと」だと考えているからです。だから、まわりの人たちが直接口に出して不登校を非難しなくても、原因探しに走れば、そのこと自体が子どもに対し「不登校は悪いこと」「親や先生を困らせていること」だという「非難のメッセージ」を送ることになってしまい、そのことで子どもはさらに苦しみます。ですから、原則5の態度が大切になるのです。
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