「いじめから命を守る緊急集会」講演録の連載⑩

【想定される疑問・反問】その3
② 「仲直りさせる、加害者に謝罪させる」ことで解決を図る
 これもよくある意見ですが、「仲直り」とか「謝罪」の中身が問題でありまして、それが表面的なものに終わると事態はもっと深刻になり、取り返しのつかないことになりかねませんので、このことにつきましては、後ほど「いじめ自殺裁判」のところでふれたいと思います。

③ 「加害者を出席停止にしないと不公平だ」
 被害者を休ませることより、「加害者を出席停止にすべきで、そうでないと不公平ではないか」という意見もあると思いますし、私もいじめ被害者の親としては、その気持ちもよく分かります。
しかし出席停止まではいかなくても、例えばクラス替がありいじめた子どもがいなくなった場合などもそうですが、「加害者がいなくなった」、つまり「いじめの原因が取り除かれた」、だから学校に来ることができる、と単純に考えることはできません。
 「いじめ」によってその子の心がズタズタにされている場合、「いじめっ子がいなくなったからもう大丈夫だよ」と言うだけで心の傷が回復するくらいなら苦労はありませんし、そもそも人間の心は、そのような状態に追い込まれた原因がなくなったからと言って、自動的に回復するような単純なものでないことは、私たちの日々の暮らしの中でもしばしば経験していることではないでしょうか。いじめられた後とそれ以前とでは子どもの心の状態が大きく違っていて、「いじめ」によって受けたダメージから回復するにはとても時間がかかりますので、ゆっくり休養させてあげることが何より大切です。
 つまり、「出席停止」を被害者を学校に戻すための手段と考えても全く意味はなく、それが加害者への指導にとって効果的なのかどうかで考えるべきことです。場合によっては加害者が別のいじめを受けていたり虐待を受けていて、その腹いせにそのような行動に及ぶことも考えられますので、だからと言って「いじめ」という行為が決して許されないのはもちろんですが、そのような場合は加害者の子どもへのケアも必要になりますので、出席停止が加害者の子どもにどのように影響するかなどを、総合的に判断して決めるべきことだと思います。
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