いわき市の講演会⑪:いじめを相談できないのはなぜか?

  私はこの話を聞いたときに心底驚いて、娘に「なぜ親に話してくれなかったのか」と尋ねましたら、彼女は「親に心配をかけたくない」という気持や「親が怒って学校に話を持ち込んだら、仕返しされるのが怖かった」ということはもちろんあるけれど、「口に出してしまうと、自分がいじめられていることを自分で認めてしまうことになり、その惨めさに耐えられなかった」という話でした。
 つまり、成人になり、彼女なりに自分の生活の方向性が見えてきて、生きて行くことに自信を持てるようになるまで、口に出すことができなかったわけで、これはわが家に限らず、とてもよくうかがう話で、子どもが「いじめ」について本当のことを語ること自体が、とても大変なことなのだということを、周囲の大人はしっかり理解しなければならないと思うわけです。
 今回持参しました「カナリアたちの警鐘」はこの5月に発行したものですが、2005年に「わが子が不登校で教えてくれたこと」という本を出版したときに、家族の話でも個人情報ですし、公開するには本人たちの承諾が必要ですから、原稿を妻と娘たちに見てもらってチェックと修正を重ねたのですが、そのとき初めて長女は「何度も自殺することを考えた」と打ち明けてくれました。
 ですから、私は長女のことを結構分かったつもりになっていたのですが、死にたいと思うくらい辛かった状態を知ったのは、誠にお恥ずかしい話ですが、長女が不登校になって15年以上も経ってからということになりますので、意外と親は子どもの本当の姿を知らないことが多いことを肝に銘じております。
 私は、「いじめ」というたいへんな状態の中に子どもを必死に送り出し、娘は自殺も考えたというわけですから、最近のいじめ自殺の報道を目にするたびに、わが家も一歩間違うとそんな状況になったかもしれないと思い、胸が苦しくなる次第です。
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