いわき市講演会㉞:いじめで取りかえしのつかないダメージも

  しかし、こう提案いたしますと、必ず次のような疑問や批判をいただくことになると思いますので、少し紹介いたします。
 まず第一は、「長い人生には辛いことがたくさんあり、そのたびにそこから逃げていては人間生きて行けない、大人になってからでは遅いので、子どものうちから困難から逃げないでそれに打ち克つ強さを持つように教育しなければならない」という意見で、確かに、一般論としては、そのような心がまえも必要でしょう。
 しかし、「いじめ」は明らかな人権侵害であり、暴行や恐喝といった犯罪に該当する場合もありますし、無視や暴言、陰湿な嫌がらせなども、取り返しのつかない精神的なダメージを与えます。
 そこで、注目すべき新聞記事を紹介したいのですが、石川県加賀市の小学1年生の女の子が同級生からいじめを受けてPTSD(外傷性ストレス障害)を発症し、保護者が損害賠償を求めた裁判で、金沢地方裁判所小松支部は、2学期から同級生がその子を階段で押し倒して、「きもい」などなどと言ったために学校に行けなくなり、2年生なってPTSDを発症したという医師の診断を認め、加賀市と同級生3人の保護者6人に約700万円の支払いを命じたというものです。
 子どもが小さいときは「いじめ」と「悪ふざけ」の区別がつきにくいという話をよくうかがうのですが、このように小学低学年でもPTSDの原因になるわけですから、いじめが子どもに与える精神的ダメージの大きさを私たち大人はもっと深刻に考えるべきであり、しっかりとアンテナを張って子どものSOSをキャッチする責任があると思います。
 「辛いことに耐えるのも人生経験」とおっしゃる方でも、まさか「人権侵害や犯罪被害に耐えるのも人生経験」などとは言わないと思いますので、「いじめ」に対しても「被害に遭わない、被害を避ける」ことが一番の基本であると申し上げたいわけです。
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