「一人一人を大切に」の具体化:古山明男さん

 「多様な教育を推進するためのネットワーク(おるたネット)」のメールマガジンに、古山明男さん(平凡社刊「変えよう!日本の学校システム~教育に競争はいらない」の著者)が、次のような寄稿をされていました。とても示唆に富むものであり、編集部ご了承を得ましたので紹介します。

【「一人一人を大切に」の具体化 古山明男(おるたネット代表)】
 「多様な教育機会確保法」が超党派議員連盟の立法チームによって検討されている。この法律の大きな構造は、「普通教育を十分に受けていない子ども」の保護者が個別学習計画を申請し認定されれば、学校外での学習を義務教育と認めるというものである。今国会での成立を目指している。
 ここで、「普通教育を十分に受けていない子ども」という表現が重要である。これならば、決定的に学校不適応になる前に、「この子には、学校教育が合わない」という理由で、他の教育の道を選ぶことができる。スジのよい法律だと思う。一人一人の個別学習計画を作ることから教育を多様化していくからである。
 「一人一人を大切に」は、すべての人が言うが、これまで画一的な教育の枠の中に留まっていた。しかし、この法律によって、さまざまな事情や、多様な教育方法が現実に反映される。教育イノベーションが起こる引き金になるであろう。
 教育機関の認定から行くよりも、個別学習計画から行くほうが、クリエイティブな結果が出るだろう。それを可能にしたのは、たくさんの不登校の子どもたちの苦しみの声である。そのときに重要なのが、個別学習計画がどれだけの自由度を持っているかである。
 しかし、既存制度の中にいる人たちは、この法律のことを「学校の内容を校外で学んでもよい」としか理解していないであろう。その人たちが賛成してくれるから、法律が成立する。教育多様化を目指す法律としては、どうしても不十分なものになる。
 それを見越して、この法律を理念法としたのは、深い含蓄がある。法律では、できるだけ内容を細かいところまで決めないほうがよい。いま、具体的なことまで法律で決めようとすると、現状に近いもので固定されてしまうであろう。しかし、内容ではなく、「だれが認定するのか」「誰が認定の基準作りをするのか」については、法律段階で一歩でもいいから「民間から決定に参加する」のほうに寄せておくことが、今後のために重要であろう。

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