日本の義務教育は非常口のないビル

  不登校の背景について、在野の教育研究家・古山明男さん(「変えよう!日本の学校システム~教育に競争はいらない」平凡社の著者)から、次のようなご意見をいただき、とても共感しましたので、参考までにご紹介します。
「日本の義務教育は非常口のないビル」、そして「原発はトイレのないマンション」、現代日本が解決を迫られている深刻な課題だと思います。
【古山明男さんのご意見】
 日本の義務教育は、非常口のないビルにたとえられます。身の危険がせまったとき、逃げようとしても、入り口はロックされています。非常口は作ってない。そうすると、窓から飛び降りるしかありません。それが不登校です。
不登校は、日本だけの現象です。社会問題になるほどの不登校が発生することは、世界的に見て異常なことです。多くの国では、非常口が作ってあります。学校教育が合わない子どもがいれば、その子に合った教育が発生できるようになっています。
社会問題になるほどの不登校が発生したのは、日本と韓国です。そのうち韓国はすでに非常口を作って、不登校問題を解決しました。「代案学校」と呼ばれる別の教育を認めたのです。
不登校は、東アジアに特有の現象とも思えます。ところが、中国は、不登校問題に悩まされてはいません。中国の学校は、日本より厳しいです。入試競争の激しさは、日本の比ではありません。社会全体に人権意識が浸透していない。経済的には、食うためには我慢して頑張るしかない。そういう社会風土であれば、子どもたちも我慢するのです。
日本も70年代くらいまでは、そうでした。不登校が発生するのは、競争的な幅の狭い教育しか提供されず、なおかつ、社会が豊かになり人権意識も広がりつつある場合なのだと思われます。その条件に合ったのが、日本と韓国でした。では、日本は70年代以前に戻れるのか。あるいは、中国のようになれるのか。無理です。社会自体が変わってしまいました。それでも、非常口のないビルは、そのままです。
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